医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring Residents' Well-Being and Burnout via Qualitative Ecological Momentary Assessment (Acad Med 2021)

Shea JA, Bellini LM, Desai SV, Barg FK, Eriksen W, Wietlisbach LE, Yakubu AR, Asch DA. Exploring Residents' Well-Being and Burnout via Qualitative Ecological Momentary Assessment. Acad Med. 2021 Nov 9. Epub ahead of print.

背景:レジデントのバーンアウトウェルネスについて知られていることのほとんどは、横断的なスナップショット調査によるものである。本研究の目的は、生態学的瞬間評価 (ecological momentary assessment)を用いて、長期にわたる内科レジデントのコホートからウェルネスに関する質的視点を引き出すことである。

方法:生態学的瞬間評価の原理を用いて、13個の自由回答形式の調査プロンプトを、2019-2020年度の10月から3月にかけて配信した。参加者は、北東部の4つの内科研修プログラムからランダムに選ばれた88名の内科レジデントであった。

結果:回答率は95%であった。ウェルネスに関する3つの主要テーマは、「自己」「プログラム・教育環境」「医療・構造システム」であった。4つ目のテーマである、「質の高い患者ケアを提供したいという欲望」は、他のすべてのテーマに共通していた。患者ケアのテーマでは、患者と過ごす時間を増やしたいというレジデントの願いが繰り返し強調されていた。自己のテーマでは、主に個人的な感情や、ワーク・ライフ・バランスやウェルネスの必要性に関するメッセージが反映されていた。プログラム・教育環境のテーマは、学習の価値、チームワークとコミュニティ、プログラム文化を反映していた。医療・構造システムのテーマでは、レジデントの経験は一日の効率によって形成され、主にスケジュールと管理者のサポートの産物であることが示された。最後に、将来の研修生へのアドバイスとして、楽観的で安心感のある言葉をいただいた。

結論:今回の調査結果は、単発の調査で得られた知見の多くを裏付けるものであったが、生態学的瞬間評価を行うことで、文脈上の関連性をより深く掘り下げることができた。今回の結果は、患者ケアの重要性を確認するとともに、チームワークと文化の価値を強調している。同僚やプログラムリーダーは、その日限りのものであれ、尊敬とサポートの永続的なメッセージであれ、学習体験の基調を決める上で大きな影響力を持っている。レジデントにとって価値の高い、あるいはより価値の高い学習体験を最大化し、ケアコーディネーションの一部である「価値の低い管理業務」と思われているものを減らし、再認識するための解決策を見つける機会がある。