Bell CL, Allan JL, Ross S, Powell DJH, Johnston DW. How can we better prepare new doctors for the tasks and challenges of ward rounds?: An observational study of junior doctors' experiences. Med Teach. 2021 Jul 5:1-8. Epub ahead of print.
背景:病棟回診は、入院患者のケアを行ううえで重要な役割を果たしているが、若手医師にとっては、様々なタスクやスキル、課題が複雑に絡み合っている。本研究では、実際の病棟回診時に若手医師が行う活動やストレスに関連する活動を明らかにすることで、質の高いトレーニングの開発に役立てることを目的とする。
方法:FY1の医師 (n = 60)が2回の病棟回診で行ったすべての活動を、訓練を受けた観察者が活動タイミングによる作業観察法 (the work observation method by activity timing; WOMBAT)を用いてリアルタイムにコード化した。また、医師の心拍数を連続的に記録し、心拍数の非代謝性ピークをストレスの生理学的指標とした。
結果:病棟回診では、FY1医師は、間接的な患者ケア、専門的なコミュニケーション、文書作成、観察をよく行っていた。直接的な患者ケア(6%)や明確な監督・教育(0.01%)にはほとんど時間が割かれていなかった。心拍数のデータによると、ストレスが最も高いのは、管理業務を行っているとき、患者と直接対話しているとき、個人的な仕事をするために回診を中断しているとき、callに対応しているとき、マルチタスクを行っているときであった。
結論:実際の病棟回診で必要とされる活動、スキル、課題を具体的に取り上げたトレーニングを行うことで、FY医師は、この複雑な業務分野に対応できるようになるかもしれない。