医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Communication content during debriefing in simulation-based medical education: An analytic framework and mixed-methods analysis (Med Teach 2021)

Berger-Estilita J, Lüthi V, Greif R, Abegglen S. Communication content during debriefing in simulation-based medical education: An analytic framework and mixed-methods analysis. Med Teach. 2021 Jul 14:1-10. Epub ahead of print.

背景:デブリーフィングは、シミュレーションを用いた医学教育に欠かせない要素であり、reflective learningに貢献する可能性が大きい。しかし、デブリーフィングにおけるコミュニケーションの関連性についてはほとんど知られていない。我々は、デブリーフィングのコミュニケーション内容を評価するためのカテゴリーフレームワークを開発し、それを用いて参加者の学習成果との関係性の可能性を分析した。

方法:我々は、ディブリーフィングの質的内容分析のためのカテゴリーフレームワークを演繹的および帰納的に開発した。このフレームワークを用いて20件のディブリーフィングをコーディングし、ディブリーフィングの頻度と学習成果(エンゲージメント、満足度、個人およびチームの学習成功など)との相関を調べた。

結果:カテゴリーフレームワークは、9個のメインカテゴリーと81個のサブカテゴリー(48人のdebriefer、27人の参加者、6人の模擬患者)で構成されており、良好なコーダー間合意が得られた。debrieferと参加者は、主にアドボカシー、質問、説明、確認を用いて同じようにコミュニケーションをとっていた。debrieferの質問と参加者のインプットは、学習成果と正の関係があった。対照的に、guess-what-I-am-thinking、謝罪、観察、資料の使用、参加者の説明、単純な発言の繰り返し、他の参加者による評価は、学習成果と正の相関を示さなかった。

結論:本研究は、デブリーフィングにおけるコミュニケーションの内容について、重要な新しい情報を提供するものである。コミュニケーション内容と学習成果の関連性は、デブリーフィングやシミュレーションベースの医学教育の効果をさらに高めるために特に重要であると考えられる。