医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Challenges for Family Medicine Residents in Attaining the CanMEDS Professional Role: A Thematic Analysis of Preceptor Field Notes (Acad Med 2021)

Kazevman G, Ng JCY, Marshall JL, Slater M, Leung FH, Guiang CB. Challenges for Family Medicine Residents in Attaining the CanMEDS Professional Role: A Thematic Analysis of Preceptor Field Notes. Acad Med. 2021 May 25. Epub ahead of print.

背景:CanMEDSのフレームワークによれば、有能な医師の役割のなかにはプロフェッショナルとしての役割も含まれている。このフレームワークでは、医師がサービスを提供する人々のヘルスケアニーズを効果的に満たすために必要な能力を説明している。著者らは、residentのパフォーマンスに関するプリセプターのフィールドノートを調査することで、家庭医療residentが苦労しているこの役割の側面を明らかにした。

方法:著者らはこの質的研究において、トロント大学家庭・地域医療部門で卒後医療学習者が受け取る、書面によるフィードバックを、構造化テーマ分析を用いて調査した。CanMEDSのプロフェッショナルの役割で「期待以下 (below expectation)」のスコアを取ったresidentに対して、臨床教育者が2015年から2017年にかけて書いた70個のフィールドノートを分析した。フィールドノートの自由記述のコメントから、著者らは帰納的コードを導き出し、コードをテーマに融合させ、コードの出現頻度を測定した。そして、出てきたテーマをCanMEDS専門家の役割のキーコンピテンシーマッピングした。

結果:フィールドノートから、パフォーマンス低下の理由を説明する7つのテーマが浮かび上がった。同僚関係の欠如、診療基準や法的ガイドラインの非遵守、省察や自己学習の欠如が主な問題として挙げられた。その他のテーマは、境界線を維持できていない、患者のケアに悪影響を及ぼす可能性のある行動をとっている、患者の機密性を維持できていない、セルフケアができていないなどであった。これらのテーマをCanMEDSの専門職の役割における主要なコンピテンシーマッピングしたところ、ほとんどがコンピテンシーの「専門職へのコミットメント」に関連していた。

結論:今回の研究では、residentが苦慮しているプロフェッショナルとしての行動の側面が浮き彫りになり、研修プログラムやすべての医療研修レベルでのプロフェッショナリズムの教え方が見直されるべきであることが示唆された。学習者の専門職へのコミットメントを強調する教育的介入は、より多くの完全な専門家である医師の育成を促進する可能性がある。