医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Discrepancies Between Preceptor and Resident Performance Assessment: Using an Electronic Formative Assessment Tool to Improve Residents' Self-Assessment Skills (Acad Med 2021)

Schultz K, McGregor T, Pincock R, Nichols K, Jain S, Pariag J. Discrepancies Between Preceptor and Resident Performance Assessment: Using an Electronic Formative Assessment Tool to Improve Residents' Self-Assessment Skills. Acad Med. 2021 May 4. Epub ahead of print.

背景:正確な自己評価は、residentが卒業後に安全で適応力のある臨床家になるために必要な重要なスキルである。医師は、医学知識の急速な拡大や、予測できない新たな医療問題に対処するために、知識やスキルのギャップを識別して埋めることができる必要がある。これまでの研修では、このような包括的なスキルを身につけることに一貫して焦点が当てられておらず、また、コンピテンシーベースの医学教育 (CBME)が提供する膨大な評価データが、当初の目的を超えて総括的評価の決定に利用されたこともなかった。どちらも重要な機会損失である。

方法:クイーンズ大学の家庭医療プログラムは、2010年にCBMEを導入した。2011年には、residentが日々のパフォーマンスを電子的に自己評価する機能を追加し、プリセプターは提出する前に必要に応じてレビューし、修正するようにした。2018年には、研修医の自己評価とプリセプターのパフォーマンス評価の間の不一致を報告するソフトウェアを設計した。

結果:2011年から2019年にかけて、56,585件のフィールドノートが提出され、そのうち11,429件がresidentによるものであり、そのうち28% (3,200/11,429件)が研修医とプリセプターのパフォーマンス評価の間に不一致を示した。不一致があった場合、residentが自分のパフォーマンスをプリセプターよりも能力が低い (undercalled)と評価した割合は73%であった (2,336/3,200フィールドノート)。residentが自分のパフォーマンスをプリセプターよりも高く評価したフィールドノート864件 (不一致3,200件の27%)では、6人のresidentが危険なほどパフォーマンスをovercallし (上司の評価よりも2~3段階高い)、26人が繰り返し (5回以上)パフォーマンスのレベルを1段階overcallした。

結論:不正確な自己評価 (パフォーマンスのovercallとundercallの両方)は、悪影響を及ぼす。意識することが、この問題に対処するための第一歩である。Discrepancy Reportをresidentとの定期的なアカデミックレビューで使用し、パフォーマンスの自己評価を向上させることを目的として、不一致の性質、程度、頻度について議論する予定である。