医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Learning through Teaching: Peer Teaching and Mentoring Experiences among Third-Year Medical Students (Teach Learn Med 2021)

Yang MM, Golden BP, Cameron KA, Gard L, Bierman JA, Evans DB, Henschen BL. Learning through Teaching: Peer Teaching and Mentoring Experiences among Third-Year Medical Students. Teach Learn Med. 2021 May 1:1-8. Epub ahead of print.

背景:クラスルームで行われたpeer-led teaching and mentoringの研究では、教師としても学習者としても学生にメリットがあることが報告されている。このような利点には、内容の習得度の向上、個人的およびプロフェッショナルとしての成長の両方が含まれる。他の医療専門職の間では、臨床現場におけるpeer-led teachingの利点はよく知られているが、医師の卒前医学教育ではあまり知られていない。本研究では、外来患者の臨床実習におけるpeer teaching and mentoringについて、医学生の認識と経験を調査した。

方法:教育中心型メディカルホーム (ECMH)または個人プリセプターシップ (IP)の2種類の縦断型プライマリーケア・クラークシップに登録した3年生の医学生が、2018年に半構造化インタビューに参加した。学生には、クラークシップ中のpeer teachingの経験を説明し、ロールモデルやメンターとしての役割を果たした経験を振り返るよう求めた。2サイクルのチームベースの帰納的アプローチを活用して、トランスクリプトを分析した。

結果:33名の学生がインタビューに答えた。その結果我々は、3つの主要なテーマを導き出した。(1) peer teaching and mentoringの機会の多様性、(2) 学習者から教師への役割の移行、(3) 個人的およびプロフェッショナルとしての成長である。どちらのクラークシップの参加者もpeer teaching and mentoringに参加していたが、ECMHの学生は、メディカルスクールの全学年の学生と交流する機会が多いことを説明し、「指導を受け、今度は自分が教えることができるのは貴重な経験だ」と述べていた。また、ECMHの学生は、他の学生が快適に学習できる環境を作る責任があることを感じていた。両クラークシップの学生は、「教えることで学ぶ」ことについて、教えることは自分が得た知識を再確認することであり、教える経験は自分の個人的およびプロフェッショナルとしての成長に貢献するものであると考えていた。

結論:学生は、臨床現場でのpeer teaching and mentoringに参加することは、個人的・プロフェッショナルとしての成長にプラスになると認識していた。両クラークシップの学生は、ティーチングやメンタリングの機会が、自分のティーチングスキルの成長を促すものであったと振り返っていた。これらの結果は、peer teaching and mentoringを促進する学習環境を作ることの重要性を強調している。このような機会は、学習者として、また医師としてのさらなる成長につながる可能性がある。