医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Team member expectations of trainee communicator and collaborator competencies - so shines a good deed in a weary world? (Med Teach 2021)

Wilbur K, Teunissen PW, Scheele F, Driessen EW. Team member expectations of trainee communicator and collaborator competencies - so shines a good deed in a weary world? Med Teach. 2021 Jan 21:1-14. Epub ahead of print.

背景:職場ベースの評価 (workplace-based assessment)は、研修生の専門外の評価者を含む、多数の評価者の視点を活用することで、さらに最適化される可能性がある。コミュニケーションやコラボレーションなど、interprofessionalなコンピテンシーは、チームでのインプットに適していると考えられていることが多い。本研究の目的は、コミュニケーターやコラボレーターのコンピテンシーの役割に対する、多職種の期待を特徴づけることである。

方法:臨床教育ユニットにおける多職種チームメンバーの視点を探索するために、構成主義的グラウンデッド・セオリーアプローチを採用した。半構造化インタビューにおいて、参加者は、自分の専門外の研修生の有能な協力とコミュニケーションに対する期待を述べた。データを分析し、反復するテーマ、基礎となる概念、およびそれらの相互作用を、コンスタントな比較を用いて、特定した。

結果:3つの主要な視点が、有能なコミュニケーションとコラボレーションに関する、interprofessionalな特徴づけに影響を与えていた。3つの視点とは、(1) 最善の実践に対する一般的な期待、(2) 支援的な実践に対する具体的な期待、(3) 教育実践への認知されたコミットメントである。しかしながら参加者は、自分の専門分野以外の研修生を、専門的な患者ケアの意思決定を進めるためにどのようにコンピテンシーが発揮されたかによって判断しているようであり、研修生が示した具体的なスキルセットにはほとんど注意を払っていないようであった。

結論:チームメンバーは自分の専門外の研修生のinterprofessionalなコンピテンシーの発展を支援することへのコミットメントを表明していたが、その一方で、サービス志向のパフォーマンスの判断が大きく影響していた。職場ベースの評価における多職種の情報源の信頼性に影響を与える可能性があることを考慮する必要がある。