医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The TeleHealth OSCE: Preparing Trainees to Use Telemedicine as a Tool for Transitions of Care (J Grad Med Educ 2020)

Sartori DJ, Hayes RW, Horlick M, Adams JG, Zabar SR. The TeleHealth OSCE: Preparing Trainees to Use Telemedicine as a Tool for Transitions of Care. J Grad Med Educ. 2020 Dec;12(6):764-768. doi: 10.4300/JGME-D-20-00039.1. Epub 2020 Dec 2. PMID: 33391602; PMCID: PMC7771608.

背景:遠隔医療は、入院患者と外来患者の間のケアの移行の橋渡しをすることが期待されている。それにも関わらず、バーチャルな出会いに求められる独特なコミュニケーションや技術的スキルは、卒後医学教育 (GME)プログラムで日常的に教えられたり実践されたりすることはない。本研究の目的は、residentの遠隔医療に特異的な技術を評価するための、および研修プログラムカリキュラムにありうるギャップを同定するためのOSCEを発展させることである。

方法:2019年の多ステーションのOSCEの一部として、我々は、residentと、最近退院した模擬患者との間のリモートの出会いをシミュレーションしたケースを開発した。また、コアなコミュニケーションや遠隔医療に特異的な技術を評価するために、「できていない」「部分的にできている」「よくできている」という記述に固定化された具体的な行動からなる評価ツールを開発した。

結果:78人のNYUの内科residentがケースに産科した。100%の参加者に対して評価を行った。residentは、情報収集および関係性形成のドメインで、よいパフォーマンスだった。これらのドメインにおいて、それぞれ平均95% (SD 3.3%)、91% (4.9%)のresidentが"well done"と評価された。平均78% (SD14%)が、教育/カウンセリングドメインにおいて、"well done"という評価を受けた。しかしながら、46% (SD 45%)のみが、遠隔医療ドメインにおいて"well done"という評価を受けており、特に弱い領域は、バーチャル身体所見の実施 (18%がwell done)、ビデオを利用した病歴聴取 (17%がwell done)などが挙げられた。遠隔医療に特異的なスキル評価については、トレーニングトラックや卒後年数で層別化しても差はなかった。

結論:我々は、退院後のバーチャルな出会いをシミュレーションし、GME研修生の遠隔医療特有の知識ギャップを明らかにする新しい評価ツールを提示する。