Price SL, Sim SM, Little V, Almost J, Andrews C, Davies H, Harman K, Khalili H, Sutton E, LeBrun J. A Longitudinal, Narrative Study of Professional Socialization Among Health Students. Med Educ. 2020 Dec 17. Epub ahead of print.
背景:医療専門職間の多職種協働 (interprofessional collaboration; IPC)は,ケアの提供および患者アウトカムを高めるとよく認識されている.最近のエビデンスで,チームワークのための医療専門職プログラムにおける学生の早期社会化 (socialization)が,協力的実践家 (collaborative practitioner)としての医学生の未来にポジティブな影響を与える可能性が示唆されている.プロフェッショナルとしてのアイデンティティ構築のプロセスに関するエビデンスの増加に貢献すること,およびプロフェッショナルとしての社会化と免許取得前教育との間に,IPCに対する初期期待・認識がどのように発展するのかを探索することを目的として,本研究では,医療専門職の学生の5つのグループにおける初期のプロフェッショナルとしての社会化の経験を調査した.
方法:質的・ナラティブアプローチを用いて,Atlantic Canadian Universityの5つの医療専門職の学生 (歯科,医学科,看護,薬学,理学療法)の間の初期のプロフェッショナルとしての社会化を調査した.2016年3月・10月に,学生は,第1タームの後 (n = 44)と研究のはじめの年の後 (n = 39)に,インタビューに参加した.インタビューは,参加者のIPCに対する認識・経験と一緒に,プロフェッショナルアイデンティティ形成に焦点を当てた.著者は,ナラティブ分析を用いて,インタビューのトランスクリプトを分析した.
結果:調査結果によると,医療専門職のトレーニングにおけるIPCの重要性が説かれているにも関わらず,学生は,自分のプロフェッショナルとしての役割について理解が乏しく,uni-professionalとしてのアイデンティティ vs interprofessionalとしてのアイデンティティの獲得に主眼が置かれていることが明らかになった.臨床経験,ロールモデル,チームワークへの曝露は,協力的実践を文脈化し,interprofessionalなアイデンティティの獲得を高めるために重要である.
結論:本研究の知見は,初期のプロフェッショナルとしての社会化の間のinterprofessionalなアイデンティティの獲得とIPCを促進するようなカリキュラムの開発をガイドするのに用いられうるだろう.