Xierali IM, Nivet MA, Rayburn WF. Full-Time Faculty in Clinical and Basic Science Departments by Sex and Underrepresented in Medicine Status: A 40-Year Review. Acad Med. 2021 Jan 19. Epub ahead of print.
背景：本研究の目的は，Liaison Committee on Medical Education (LCME)の認定を受けた全てのメディカルスクールに置いて，特定の臨床・基礎医学部門の教員の多様性の変化を，性別とunderrepresented in medicine (URM) statusとで層別化して評価することである．
方法：本研究は，後ろ向き横断的観察研究であり，Association of American Medical Colleges Faculty Rosterからのデータ (2019年10月にプールされたデータ)を用いて，臨床医学部門と基礎医学部門の教員の性別とURMのstatus別の傾向を明らかにした．1979年から2018年までの，LCME認定を受けた全てのメディカルスクールのフルタイム教員を対象とした．性別とURMの状態に応じて，別々の部門間の教員の割合を比較し，統計的比較には，2つの独立標本のt検定と単純な線形回帰を用いた．
結果：フルタイムの教員は，1979年から2018年の間に，49909人から175326人に増加した．そのうち大きな増加は臨床部門で生じており，臨床部門の教員数は，38726人から155688人 (4倍)へと増加していた．基礎医学部門の教員数は11183人から19649人 (1.8倍)へと増加していた．非URM女性の教員の割合は (非URM男性，URM女性，URM男性と比較して)，臨床部門で14.4% (5595/38726)から37.6% (58478/155677)へ，基礎医学部門で14.9% (1669/11183)から33.0% (6485/19649)へと，最も増加していた．URMの教員数は着実に増加しているが緩やかであり，特に黒人男性の増加は緩やかであった．URM男性教員の絶対数は，基礎医学・臨床医学部門の両方で低いままであった．女性教員とURM教員の割合は，産婦人科，小児科，家庭医療部門で最も高かった．
結論：教員の大幅な増加は，特に臨床部門での教員の増加は，多様性の増大につながっているが，その多くは非URM女性である．URM男性およびURM女性教員の増加は最小限にとどまっている．
個人的所感：後ろ向き横断的観察研究．underrepresented in medicine (URM)というある種の流行りのテーマについて，40年というかなり長いspanで，多くのn数を集めています．結論も興味深いものでした．
