医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Anxiety in Residents in China: Prevalence and Risk Factors in a Multicenter Study (Acad Med 2021)

Bai S, Chang Q, Yao D, Zhang Y, Wu B, Zhao Y. Anxiety in Residents in China: Prevalence and Risk Factors in a Multicenter Study. Acad Med. 2021 Jan 12. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は,中国のresidentにおける,major anxietyの有病率とそれに関連したリスク因子を探索することである.

方法:本研究は,2019年12月から2020年2月にかけて行われた,多施設横断研究である.中国東北部の8個の病院にいる1343人のresidentが,最終解析に含まれた (有効回答率 86.48%).人工統計学的特徴,食生活,生活関連因子,仕事関連因子,心理学的特徴を,自己申告式質問紙を通じて収集した.この質問紙では,睡眠の質,身体活動,不安,知覚された組織的サポート,心理的資本,バーンアウトが測定された.調整オッズ比 (ORs)と95%信頼区間は,二元ロジスティック回帰を用いて決定した.カットオフ値とAUCは,receiver operating characteristic curve analysisを用いたリスク因子で計算した.

結果:参加者のうち,441人 (32.80%)が不安症状を報告し,133人 (9.90%)はmajor anxiety症状を報告した.major anxietyの4つの独立したリスク因子が同定された: 悪い睡眠の質 (OR 1.282, p < 0.001),バーンアウトの3次元である.バーンアウトの3次元とは,高い感情的疲弊 (OR 1.085, p < 0.001),高い非人格化 (OR 1.064, p = 0.002),個人的な達成感の低下 (OR 0.951, p < 0.001)である.これらのリスク因子の最適カットオフは各々,7点,10点,9点,22点であった.

結論:本研究では,中国のresidentにおけるmajor anxiety症状の少なからぬ有病率が明らかになり,major anxietyと密接な関連をもつものとして,睡眠の質の低下,バーンアウトレベルの高さが同定された.本研究の知見は,不安に関する先行研究をより豊かにし,residentのメンタルヘルスを改善しうる,睡眠の質を改善しバーンアウトに対抗するための介入戦略を調査する追加研究の必要性を示している.