医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Development and Validation of a Theory-Informed Group Learning Environment Assessment Tool for Graduate Medical Education Programs (J Grad Med Educ 2020)

Welch CE, Carbajal MM, Kumar S, Thammasitboon S. Development and Validation of a Theory-Informed Group Learning Environment Assessment Tool for Graduate Medical Education Programs. J Grad Med Educ. 2020;12:447-454.

背景:最近の研究で、心理的安全 (psychological safety)がresidentの職場環境に対する認識にとって重要であり、また高い心理的安全がresidentの満足度調査スコアを改善することが示されている。しかしながら、医学教育文献において、心理的安全と学習行動との関連や、学習アウトカムに与える影響について特に述べられているevidenceはない。本研究では、Edmondson’s Teaming TheoryとWebb’s Depth of Knowledge modelを理論的フレームワークとして用いて、グループ学習環境評価ツールについての検証されたevidenceを開発・収集した。

方法:2018年、調査者は、予備的なツールを開発した。得られた調査票を、ベイラー医科大学の朝の報告会で、新生児科の教員と研修生に配布し、妥当性のevidence (内容、解答プロセス、内部構造)を収集して、本調査票の心理測定特性を記述した。

結果:2018年12月から2019年7月の間、393/450人が回答した (回答率87%)。15項目のツールの3因子測定モデルを検定する探索的因子分析および確証的因子分析は、standardized root mean square residual 0.034, root mean square error approximation 0.088, and comparative fit index = 0.987で、仮説モデルの許容可能な適合性を示した。standardized path coefficientsは0.66-0.97の範囲内であった。ほとんど全てのabsolute standardized residual correlationsは0.10未満だった。クローンバックα係数は、各構成要素の内部整合性を示した。構成要素間には高い相関があった。

結論:検証されたevidenceにより、開発したグループ学習評価ツールが、朝の報告会のようなグループ学習セッション中の心理的安全、学習行動、学習アウトカムを評価する、信頼性の高いものであることが示唆された。