医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Assessment tools in pre-licensure interprofessional education: A systematic review, quality appraisal and narrative synthesis (Med Educ 2021 )

Almoghirah H, Nazar H, Illing J. Assessment tools in pre-licensure interprofessional education: A systematic review, quality appraisal and narrative synthesis. Med Educ. 2021 Jan 13. Epub ahead of print.

背景:多職種連携教育 (IPE)は、患者の正のアウトカムにつながるチームワークの行動とスキルを獲得し、実証する機会を学生に提供することを目的としている。このシステマティックレビューでは、免許取得前のIPE介入後に使用された評価ツールを特定し、批判的に評価し、介入の焦点に応じてどのツールを使用すべきかのガイダンスを提供することを目的としている。

方法:2019年7月、以下の電子データベースを検索した、すなわちMEDLINE, ERIC, CINHAL, EMBASE, NEXUS websiteである。IPE介入を受け、学生の知識、スキル、行動、組織的実践における変化、または患者への利益を測定する評価を実施した、免許取得前の保健医療学生が関与する、全ての研究を含んだ。自己評価だけに頼ったツールを使用した研究は除外した。IPE介入と評価の整合性が構築的に評価され、研究の質的評価とツールの有効性のevidenceの批判的評価が行われた。

結果:9502個の研究のうち、39個の研究がinclusion criteriaを満たし、解析した。これらは方法論の質の点で良いと評価された。知識の修得が最も一般的に評価されたアウトカムであり、主に前後の知識テストで評価された。次いで行動変化が評価されたが、こちらは妥当性の担保されたツールを用いて評価された。患者の利益は臨床効果、患者の安全性、患者の満足度の変化として定義された。IPEの目的と評価との整合性は、研究報告の問題により限定的であった。行動変容を測定するツールは、信頼性、妥当性、尺度およびスコアリングに関する質基準への準拠度合いがまちまちであった。

結論:IPE後の変化を特定するために様々な方法が用いられてきたが、IPE介入を支援し、IPE介入の目的に合致した最も適切なツールを選択することが、きわめて重要である。我々は、利用可能なツールを批判的に評価し、その質の指標を提供した。これにより、介入の目的に応じた適切なIPE評価ツールの選択を支援するための意思決定支援ツールが作成された。厳密な研究デザインでこれらのツールを使用したより多くの研究が、evidenceベースを立証するために、必要である。