Randle RW, Ahle SL, Elfenbein DM, Hildreth AN, Lee CY, Greenberg JA, Schenarts PJ, Kempenich JW. Surgical Trainees’ Sense of Responsibility for Patient Outcomes: A Multi-institutional Appraisal. J Surg Res. 2020;255:58-65.
背景：外科教育者は，研修生のpatient ownershipの間隔について心配している．本研究では，患者アウトカムについてのresidentの個人的な責任感に関する研修医と教員の認識を比較し，patient ownershipとresidentおよびresidentの特徴を検討することを，目的とした．
方法：匿名の電子質問紙で，全米の7つのacademic surgery residencyに所属する，resident 373人，教員 390人の調査を行った．外科研修生のpatient ownershipを測定するために，確立された心理的ownership scaleをmodifyして使用した．
結果：resident 123人，教員 136人が回答した (回答率は各々33%, 35%)．78.0%の教員がresidentは患者アウトカムについて個人的責任をとっていると賛同したが，一方，26.4%の教員のみ，residentが自分自身と同程度あるいは高いpatient ownershipを感じていると考えていた．教員は，非番のときに患者のチェックを日常的に行っているresidentの割合を過小評価していた (36.8% vs 92.6%, p < 0.001)．高い平均patient ownership sclaeは，女性 (5.9 versus 5.5, p = 0.009)，卒業後時間が経っていること (PGY-1 5.3, PGY-2 5.5, PGY-3 5.7, PGY-4 5.8, PGY-5 6.1, p = 0.02)，患者アウトカムがresident回答者のムードに影響を与えるという感覚 (5.8 vs 4.8, p < 0.001)と相関があった．さらに，residentの仲間意識 (p = 0.004)，教員のメンターシップ (p < 0.001)，プログラムが適切な自律性を提供していると感じた (p = 0.03)．residentは，患者アウトカムに対する責任をより大きく感じていた．
結論：ほとんどの教員は，residnetが患者アウトカムに対して個人的責任を感じているということに賛同している．しかし一方で，多くの教員が未だに，residentのpatient ownershipについての感覚を低く見積もっている．仲間意識，メンターシップ，自律性など，resident文化の一定の修正可能な側面は，研修生の間のpatient ownershipと関連している．
