医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A Springboard for physicians returning to practice (Clin Teach 2020)

Mullender C, Gowland E, Ford C, Moore A, Fisk M, Bryant C, Le Ball K, Deaner A, Birns J. A Springboard for physicians returning to practice. Clin Teach. 2020 Dec 20. Epub ahead of print.

背景:多くの医師が研修を休んでおり、復帰後の自信が低下し、パフォーマンス評価が低くなっている。多数の教育的方法を採用したコースは、移行期において新たな臨床的役割に就く学習者を楽にするのに効果的であることが示されているが、これまでのところ、研修生の実務復帰 (returning to practice; RTP)を支援するコースに関するエビデンスは限られている。

方法:Springboardと名付けられた2日間のコースは、特に研修生のRTPのニーズに対応するために、開発された。それは学習に対して、混合型でmulti-modalなアプローチを採用しており、レクチャー、ワークショップ、ケースベースのセッション、相互作用的パネルディスカッション、スモールグループ教育、同僚主導実践的アドバイス、シミュレーショントレーニングなどがあった。Springboardは2014年から2019年にかけて8回行われ、合計540人の医師が参加した。我々は、コースの前後の質問紙フィードバックを解析した。

結果:医師が研修を休んだ理由は、育児休暇、研究、教育やリーダーシップにおけるフェローシップ、健康関連の給食、キャリアの中断などがあった。休んだ期間は3ヶ月間から6年間だった。コースの前後での参加者の自己申告によるリーダーシップスキルの増加と実務に復帰する準備への自信の増加、専門教員によるmulti-modalなブートキャンプコースとネットワーキング経験の称賛が述べられていた。

結論:医師のRTPのニーズに合わせた専用のトレーニングコースは、ネットワーキングや経験の共有のための環境を与えただけではなく、多くの領域の臨床的・非臨床的実践に関わる自信を改善する機会を提供した。より大きな規模での提供の可能性を確立するためには、さらなる研究が価値あるものとなるだろう。