医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Clinical empathy in GP-training: Experiences and needs among Dutch GP-trainees. “Empathy as an element of personal growth” (Patient Educ Couns 2021)

Derksen FAWM, Olde Hartman TC, Lagro-Janssen ALM, Kramer AWM. Clinical empathy in GP-training: Experiences and needs among Dutch GP-trainees. “Empathy as an element of personal growth”. Patient Educ Couns. 2021 Mar 31:S0738-3991(21)00226-3. Epub ahead of print.

背景:臨床共感は、患者-医師間のコミュニケーションにおいて、効果的なperson-centerednessの重要な要素であると言われている。しかし、臨床的共感、共感教育、共感能力の発達に関するgeneral practitioner (GP)の研修生の経験や意見については、ほとんど知られていない。本研究の目的は、GP研修中の臨床的共感に関する研修生の経験を調査することである。

方法:本研究ではフォーカスグループインタビューを用いた。オランダの2つの大学のGP研修生に電子メールでアプローチした。フォーカスグループは2018年4月から11月にかけて実施した。6つのフォーカスグループが実施された。すなわち、スタートアップの研修生と2つ、1年目の終わりの研修生と2つ、3年目の研修の終わりの研修生と2つである。経験豊富な2人の質的研究者が、フォーカスグループを分析した。テーマ分析の際には、教育のさまざまな段階の間の相違点と類似点が考慮され、特定されたテーマとサブテーマのためのフレームワークが作成された。

結果:35名のGP研修生が参加した。4つの主要なテーマが特定できた。スタートアップの研修生は、個人的な情動反応が医療能力に及ぼす影響について摩擦を経験していた。1年目終了時の研修生は、共感的関与と、GPガイドラインに従うなどの関連する医療業務を遂行する責任との間でバランスをとれるようになったことを示唆した。3年目終了時の研修生は、臨床的共感の行動的部分の発達と自己成長の相互関係を認識していた。すべての研修生が、GP研修中に教育に関するニーズが変化したと述べ、カリキュラムの変更を提案した。

結論:GP研修生は、共感能力と行動を獲得するうえで様々な障害に直面している。特に、個人的な情動反応への対応について言及している。研修生は、理論的な面だけでなく、スキルや感情的な面も含めた臨床的共感がカリキュラムの中心的な役割を果たすことを明確に望んでいる。理論的な教育、スキルトレーニングへの明確な配慮、患者や上司による共感的行動の評価を組み込むことで、共感にもっと明確な注意を払うべきである。