医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Trainee engagement with reflection in online portfolios: A qualitative study highlighting the impact of the Bawa-Garba case on professional development (Med Teach 2021 )

Emery L, Jackson B, Herrick T. Trainee engagement with reflection in online portfolios: A qualitative study highlighting the impact of the Bawa-Garba case on professional development. Med Teach. 2021 Feb 18:1-14. Epub ahead of print.

背景:省察は卒後医学研修に不可欠なツールだが、無能さが露呈することへの恐怖心が省察を行ううえでの障壁となっていることが知られている。英国では、このような恐怖心が増幅されていると考えられるのは、Bawa-Garba医師のケースである。このケースでは、省察のeポートフォリオのエントリーがGeneral Medical Councilの調査に通達され、その結果、医師免許を失うことになった。本研究の目的は、GP研修生がeポートフォリオの項目で一般的に探索しているテーマを同定し、Bawa-Garba医師のケースの後に省察eポートフォリオのエントリーが変化したかどうかを明らかにすることである。

方法:現象学的アプローチを適用した。南ヨークシャーのGP研修スキームからリクルートされた研修生(7名)とトレーナー(4名)を有意抽出法でサンプリングし、データの飽和まで半構造化インタビューを実施した。トランスクリプトデータは、反復的テーマ分析を用いてコーディングフレームワークに割り当てられた。

結果:主に「困難」と「課題」というテーマが浮上した。すべての研修生は、自分のキャリアを危うくすることを恐れて、ミスやヒヤリハットに関するsignificant event analysis(SEA)を提出することを嫌がっていると述べていた。国際的な医学卒業生は、省察がもたらす課題の影響を不釣り合いに受けていた。

結論:Bawa-Garba医師のケースの後、研修生は自己差別のリスクを減らすために、SEAとの関係を断ち切っている。professional developmentのためのツールとしての省察eポートフォリオをナビゲートできるようなさらなるガイダンスが必要である。