医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring Students' Perspectives on Well-Being and the Change of United States Medical Licensing Examination Step 1 to Pass/Fail (Teach Learn Med 2021)

Mott NM, Kercheval JB, Daniel M. Exploring Students' Perspectives on Well-Being and the Change of United States Medical Licensing Examination Step 1 to Pass/Fail. Teach Learn Med. 2021 Apr 14:1-11. Epub ahead of print.

背景:2020年2月、the Federation of State Medical BoardsとNational Board of Medical Examinersは、USMLEのStep 1が3桁の数値スコアから合否判定に移行することを発表した。この変更の潜在的な影響については、いくつかの意見が書かれているが、学生の声を正式に評価した研究はない。本研究の目的は、Step 1の合否判定に対する医学生の視点を探り、この移行が医学生のwell-beingにどのような影響を与えるかに重点を置くことである。

方法:2020年5月から2020年6月にかけて、6つの教育機関の1年生と2年生の医学生を対象に、バーチャルフォーカスグループを実施した (n = 30)。フォーカスグループの内容を帰納的・反復的構成主義的アプローチに従って分析し、テーマ分析を行った。

結果:参加者は、女性(50%)、男性(47%)、その他の学生1名。参加者の大半はCaucasian (57%)で、次いでAsian (27%)、African American (10%)、HispanicまたはLatino/a (7%)であった。全体的に、学生はステップ1を合否判定に変更することに戸惑いを感じていた。学生たちは、ステップ1の合否が将来のレジデント申請にどのような影響を与えるかわからないことへの不安や、競争力を高めるために他の学業に時間やリソースを割り当てなければならないというプレッシャーを感じていた。学生は、ステップ1の合否が自分のwell-beingを高めることに懐疑的または不信感を露わにした。

結論:ステップ1の合否判定は、免許取得を目的とした高難度の試験に関連するストレスを軽減することを目的としていたが、学生の不安を増大させ、二次的な予期せぬ結果を招くことになってしまった。このような新しい環境下では、学生の評価基準を明確にし、学生の視点を将来の政策変更に反映させることが必要である。