医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Well-being in trainee and faculty physicians (Med Educ Online 2021)

Frishman GN, Raker CA, Frankfurter D. Well-being in trainee and faculty physicians. Med Educ Online. 2021;26:1950107.

背景:医師のwell-beingは依然として重要なテーマであり、トレーニングや勤務時間の増加が与える影響に関する情報は限られている。現在までのところ、我々の知識や介入はこれらの問題に十分に対応していない。
本研究では、米国において、(1) すべての卒後研修生とアカデミック・コア・ファカルティの間、(2) すべての産婦人科研修生とアカデミック・コア・ファカルティの間、(3) 産婦人科における研修期間中…のwell-beingの違いを評価した。

方法:米国の全研修生とコア・ファカルティを対象として行われた、2017~2018年のACGMEの調査に含まれる、well-beingの質問に対する回答を分析した、横断的研究。

結果:調査対象となった米国の全医師研修生および教員の85%以上が回答した。回答者には、すべての専門分野を合わせた128,443人の研修生、5,206人の産婦人科医、799人の産婦人科サブスペシャリティフェローが含まれていた。また、すべての専門分野を合わせた94,557名の教員、4,082名の一般産婦人科教員、1,432名のサブスペシャルティ産婦人科教員が回答した。
研修生は、全研修生を合わせても、産婦人科内でも、研修医からsubspecialty fellow、subspecialty facultyへと進むにつれ、大部分の質問で教員よりも否定的であった (p ≦ 0.05)。仕事の満足度(仕事への誇りなど)に焦点を当てた質問では、研修医がフェローに比べて、またフェローがファカルティに比べて否定的な回答が多かった。仕事の満足度とは対照的に、「1日にこなすことが期待される仕事の量は妥当だと感じた」という質問への回答は、研修医が教員に比べて差がないか、高いスコアを示した。

結論:すべての医師にとっての問題ではあるが、well-beingは教員よりも研修生に、そして異なる形で影響を与えており、well-beingは研修生からフェロー、教員へとトレーニングが進むにつれて改善される。調査結果から、介入は職場環境の分野よりも職場の満足度に焦点を当てるべきであり、勤務時間のさらなる制限が医師の幸福度を向上させる可能性は低いことが示唆された。