医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Bridge Builders: A Qualitative Study of Fellows' Successful Supervision of Residents (Acad Med 2022)

Chiel L, Winthrop Z, Huth K, Gross CJ, Gomez A, Marcus CH, Winn AS. Bridge Builders: A Qualitative Study of Fellows' Successful Supervision of Residents. Acad Med. 2022 Apr 5. Epub ahead of print.

背景:the Accreditation Council for Graduate Medical Educationの認定を受けたプログラムでサブスペシャリストになるための研修を受ける臨床フェローは、入院中のサブスペシャリティローテーションでレジデントを指導する。レジデントの指導や教員の指導と異なり、フェローのレジデントに対する指導について述べた文献は少ない。本研究の目的は、指導医としてのフェローを支援するカリキュラムの開発に役立てるため、サブスペシャリティ領域の入院ローテーションにおけるフェローによるレジデントの指導が成功しているというレジデントおよびフェローの認識を理解することであった。

方法:グラウンデッド・セオリーの方法論を用い、筆者らは2020年5月にマサチューセッツ州ボストンのボストン小児病院の小児科レジデントと小児科サブスペシャリティフェローを対象にフォーカスグループを開催した。フォーカスグループはテーマ的飽和に達するまで実施した。非識別化された逐語録は、2名の著者が独立してコード化した。著者チームは、コードをテーマに集約し、フェローがレジデントをうまく監督するための解釈モデルを作成した。主要な結果は、メンバーチェックによって確認された。

結果:小児科レジデント16名から成るレジデント・フォーカスグループを4回、小児科サブスペシャリティ・フェロー13名から成るフェロー・フォーカスグループを4回実施した。参加者は、レジデントの監督を成功させたフェローは、レジデントの専門的な成長を促し、5つの「橋」に沿ってレジデントの成長をサポートすると認識していた。(1)ジェネラリストからサブスペシャリストへ、(2)研修生から自律した実践者へ、(3)個人からインタープロフェショナルチームのメンバーへ、(4)新進医師から患者と向き合うケア提供者へ、(5)新米から臨床学習者へと。フェローは、親しみやすさ、共感、感謝、優しさを示すことで、これらの領域におけるレジデントの成長を促進することができる。

結論:入院患者のサブスペシャリティローテーションでは、新参者であるレジデントは正統的周辺参加をしている。成功した監督者であるフェローは、ブリッジモデルを通じてレジデントの専門分野への完全参加へと導く。フェローとレジデントのダイナミズムは、near peer learningという利点を持つ。フェローは、その役割、サブスペシャリティーの知識、研修環境への精通を生かして、レジデントの指導を強化することができる。