医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Identifying Core Components of EPA Implementation: A Path to Knowing if a Complex Intervention Is Being Implemented as Intended (Acad Med 2021)

Carraccio C, Martini A, Van Melle E, Schumacher DJ. Identifying Core Components of EPA Implementation: A Path to Knowing if a Complex Intervention Is Being Implemented as Intended. Acad Med. 2021 Mar 23. Epub ahead of print.

背景:entrustable professional activities (EPA)を用いた能力ベースの評価は、EPAベースの評価の必須要素につい て十分な合意がないまま、世界中で急速に実施されている。急速に実施されているため、どのような状況で何が機能するのか、あるいはなぜ機能する/しないのかを理解する時間がほとんどない。その結果、意図したとおりにEPA評価フレームワークを実施するために必要な機能について、共通のメンタルモデルがないまま、複雑なサービス介入を実行しようとしている。本研究の目的は、この意図された介入を実施するうえで、整合性を保つために必要な本質的なコアコンポーネントを特定することである。

方法:EPA に基づく評価枠組みを実施するためのコアコンポーネントを特定するために、正式な合意形成技術であるデルファイ法を用いた。米国、カナダ、およびオランダからの 12名のEPA専門家が、2020年2月–3月にこのプロセスに参加した。各デルファイラウンドにおいて、参加者は、EPAに基づく評価の実施に最も適していないものを1、最も適しているものを6として、可能性のあるコアコンポーネントを1~6の尺度で評価した。候補となるコアコンポーネントに対する所定の自動包含・除外基準は、参加者の80%以上が5または6の値を割り当て、80%以上が1または2の値を割り当てることとした。

結果:3ラウンド後、参加者は19個のコアコンポーネント候補のうち10個を優先的に組み入れた。すなわち、パフォーマンス予測、ローカルのメンタルモデルの共有、職場での評価、ハイステークスの委ね方の決定、アウトカムベース、集団の価値、臨床能力委員会のメンバーへの情報提供、コンストラクトの整合性、質的データ、委ね方の決定の結果である。ランキングとコメントをもとに3ラウンドで終了した。

結論:本研究で特定されたコアコンポーネントを用いることで、EPA評価フレームワークによる介入を意図通りに実施するための取り組みが進み、介入が負の結果を示すという誤った判断を下す可能性が軽減される。