医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Essential yet Ill-defined: leadership roles to support fourth-year medical students in pediatrics (Med Educ Online 2021)

Rideout M, Dawlett M, Plant J, Chitkara M, Trainor JL. Essential yet Ill-defined: leadership roles to support fourth-year medical students in pediatrics. Med Educ Online. 2021;26(1):1950108.

背景:どの分野においても、専門分野別の4年生医学生のリーダーシップに関する研究はほとんど発表されていない。この論文では、小児科教育者から、小児科専門の4年生リーダーの現状と推奨事項についての洞察を得ることができる。本研究の目的は、米国とカナダにおける小児科の4年生医学生の指導者のprevalenceを明らかにし、この役割の現状と理想的な責務を比較することである。

方法:5つのマルチパートの質問を作成し、2019年のCouncil on Medical Student Education in Pediatrics(COMSEP)Annual Surveyに提出し、その後、すべてのCOMSEPメンバーの医師に配布した。匿名の回答を収集し、結果を分析した。本調査はIRBの免除を受けた。

結果:プログラムレベルの調査の回答率は79%であった。回答した115校のうち、37%のメディカルスクールが、クラークシップ・ディレクターとは別に小児科4年目のディレクターを置いており、フルタイム換算 (full-time equivalent; FTE)で平均9.8%のprotected timeがその役割に当てられていると回答した。一方、4年目のディレクターの責務としては20%のFTEが理想的だと回答した学校もあった。小児科の4年目のディレクターの役割として最も多かったのは、サブ・インターンシップの指導であった。回答者は、小児科の4年目のディレクターが、アンケートで質問したすべての分野で関与の度合いを高めることが理想的であると答えた。特に、小児科レジデント準備コース/ブートキャンプの指導、4年目の学生の教育者のためのfaculty development、4年目の学生の再教育などが挙げられた。

結論:メディカルスクール4年目に専門分野別の経験が増えるにつれ、小児科クラークシップの指導とは別に、教員のリーダーシップが求められるようになってきた。今回の全国調査では、小児科教育者は、4年目の特定の活動を指導するためのprotected timeを増やす必要性を表明した。他の分野での同様の結果は、全国的に専門分野別の4年生の指導者のprotected timeを増やし、役割を拡大することを提唱することを支持するだろう。