医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

First year medical student perceptions of physician advocacy and advocacy as a core competency: A qualitative analysis (Med Teach 2021)

Griffiths EP, Tong MS, Teherani A, Garg M. First year medical student perceptions of physician advocacy and advocacy as a core competency: A qualitative analysis. Med Teach. 2021 Jun 21:1-8. Epub ahead of print.

背景:医師の界隈はアドボカシーを中核的なプロフェッショナルのコンピテンシーとして受け入れているが、入学した医学生が医師のアドボカシーをどのように見ているかについてはほとんど知られていない。本研究では、医学生1年生がアドボカシーをどのように定義しているか、アドボカシーを行う動機や予想される課題、アドボカシーをコア・コンピテンシーとすべきだと考えているかどうかを調べた。

方法:本研究では、質的内容分析の手法を用いて、医師のアドボカシーに関する医学生1年生の回答を分析した。分析対象となったのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校 (UCSF)医学部の医学部1年生の95%が2学年の間に受けた書面による回答である。

結果:学生は、医師は個々の患者のためにアドボカシーを行うべきであるという点ではコンセンサスを共有していた。すべての医師が社会レベルのアドボカシーを行うべきかどうか、また、それを医学部のコア・コンピテンシーとすべきかどうかについては、学生の意見はさまざまであった。学生は、医師が社会的なアドボカシーに取り組むべきいくつかの説得力のある理由を見つけたが、それにもかかわらず、医師のアドボカシーに対する課題を予想していた。

結論:アドボカシーは医師のコア・コンピテンシーであるというコンセンサスが得られつつあるなかで、医学生にアドボカシーを成功させるためのスキルを与えることはますます重要になってきている。新たにカリキュラムを組む際には、アドボカシーに対する様々な考え方を持つ学生をいかに巻き込むかという点に焦点を当てる必要があるだろう。