医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Self-perceived competencies on evidence-based medicine in medical students and physicians registered in a virtual course: a cross-sectional study (Med Educ Online 2022)

Romero-Robles MA, Soriano-Moreno DR, García-Gutiérrez FM, Condori-Meza IB, Sing-Sánchez CC, Bulnes Alvarez SP, Alarcon-Ruiz CA, Taype-Rondan A, Viteri-García A. Self-perceived competencies on evidence-based medicine in medical students and physicians registered in a virtual course: a cross-sectional study. Med Educ Online. 2022;27:2010298.

背景:Evidence-based medicine (EBM) とは、科学的研究から得られる最良のエビデンスを、臨床経験(および文脈)および患者の価値観や嗜好と統合することと定義される。本研究の目的は、大規模なバーチャルEBMコースに登録した医師および医学生が自己認識するEBM能力を記述することである。

方法:分析的横断研究。無料のバーチャルEBMコースに関心のある人々が、2020年9月の登録のためにバーチャルフォームで自分のデータを記入した。このフォームでは、EBMの4つの次元(臨床的な質問をする、検索、分析、応用)に関する22の能力が、5択のリッカート尺度を用いて評価された。その結果、18歳以上の医師または医学生であると主張する人々を抽出し、データベースを分析した。

結果:対象者は1793名であった。医学生1130人、医師663人で、80%以上がペルー在住であった。各コンピテンシーにおいて、「賛成する」「強く賛成する」と答えた人の割合は、「臨床的な質問をする」次元のコンピテンシーでは39.2%から57.8%、「検索」では39.2%から56.1%、「分析」では19.9%から32.0%、「応用」では19.6%から29.9%であった。医師、学生の双方とも、「影響度、グラフ、システマティックレビューの結果の解釈」、「意思決定の共有」、「期待効果の算出」のコンピテンシーが最も低い。また、検索と分析の次元では、最近卒業した医師の方が高いスコアを示した。

結論:本コースに参加した医師および医学生は、コンピテンシーに対する自己認識が、分析と応用の次元で低かった。最近卒業した医師は、カリキュラムの更新によるものと思われるが、自分の研究・分析能力についてより高い自己認識を持っているようである。