医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Development of a taxonomy of unprofessional behavior in clinical learning environments using learner-generated critical incidents (Med Teach 2021)

Cullen MJ, Zhang C, Mustapha T, Tiryaki E, Benson B, Konia M, Sackett PR, Culican SM. Development of a taxonomy of unprofessional behavior in clinical learning environments using learner-generated critical incidents. Med Teach. 2021 May 11:1-9. Epub ahead of print.

背景:臨床学習環境 (CLE)における専門外の行動について、医学生やフェロー (研修生)が直接体験したことを調査した研究はほとんどない。本研究の目的は、研修生から収集したクリティカルインシデントを用いて、CLEにおけるアンプロフェッショナルな行動の分類法 (taxonomy)を作成することである。

方法:ステップ1 (データ収集)では、筆者らは6年間 (2013年~2019年)にわたり、十数か所のCLEで研修生から382件のクリティカルインシデントを収集した。ステップ2 (モデル生成)では、9人の主題専門家 (SME)がインシデントを均質なクラスターに分類し、この構造を主成分分析 (PCA)で検証した。ステップ3 (モデル評価)では、2つの新しいSMEグループがそれぞれ、インシデントの半分をPCA由来のカテゴリーに再分類した。

結果:収集されたクリティカルインシデントの分散の62.46%を13成分のソリューションが占めていた。クリティカルインシデントを再分類したSMEは、お互いに、また13成分のPCA解との間に良好な一致を示した。結果として得られた分類法には13の次元が含まれており、48.7%の行動が攻撃性や差別的行為の表示に焦点を当てていた。

結論:クリティカルインシデント手法は、CLEにおけるアンプロフェッショナルな行動の次元性について独自の洞察を与えることができる。今後の研究では、作成した分類法をCLEにおける専門性評価の開発に活用する必要がある。