医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Assessing factors for choosing a primary care specialty in medical students; A longitudinal study (Med Educ Online 2021)

McDonald C, Henderson A, Barlow P, Keith J. Assessing factors for choosing a primary care specialty in medical students; A longitudinal study. Med Educ Online. 2021;26:1890901.

背景:米国ではプライマリ・ケア医が不足しており、メディカルスクールでは専門分野の選択に影響を与える要因を調査している。

方法:医学生がプライマリ・ケアの専門分野を選択することに関連する要因をよりよく理解するために、アイオワ大学カーバ医科大学の学生を対象に、2013年から2019年までの縦断的な年次調査を、入学前から実施した。ロジスティック回帰モデルで関心のある要因を調べた。レジデントのためのプライマリ・ケア専門分野(家庭医療、内科、小児科)へのマッチングがprimary outcomeであった。本研究では、学生が毎年行っている調査で報告した要因(人口統計、指導、負債、ライフスタイル)を比較した。

結果:プライマリ・ケアの専門性と有意に関連する要因は、メディカルスクール入学前・在籍中の研究、プライマリ・ケアに携わる家族の存在、学生の年齢と性別であった。
男性の28%がプライマリ・ケアを選択し、女性は47%であった。医学教育の負債率には男女差がなかったが (N = 286,χ2(1) = 0.28, p = 0.60)、負債の影響を受けたと報告したのは男性の方が多く (N = 278, χ2(1) = 10.88, p = 0.001)、負債の影響を受けたと報告した学生がプライマリ・ケアを選択する確率は3分の1であった (N = 189, 95% CI [0.11-1.06], p = 0.06)。男性では、潜在的な給与がプライマリ・ケアへの参入と負の関係にあった (p = 0.03)。女性は、プライマリ・ケアの指導者がいる可能性が高かったが (N = 374, χ2(1) = 13.87, p < 0.001)、これは男性、女性ともにプライマリ・ケアに入る可能性の増加とは関連しなかった。プライマリ・ケアを行っている家族がいることは、プライマリ・ケアに入る可能性が2.87倍になることと関連していた (N = 303, 95% CI [1.14-7.19], p = 0.03)。

結論:プライマリ・ケアに入るかどうかの判断は、さまざまな要因に影響される。男女間の違いの主なものは、男性の専門分野の選択が、経済的な懸念によってよりマイナスの影響を受けることである。