医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Videoconference Interviews: A Timely Primary Care Residency Selection Approach (J Grad Med Educ 2020)

McAteer R, Sundaram S, Harkisoon S, Miller J. Videoconference Interviews: A Timely Primary Care Residency Selection Approach. J Grad Med Educ. 2020;12:737-744.

背景:ビデオ会議面接 (VCIs)は、多くの医療専門分野において、研修プログラム候補生の選考プロセスでますます使用されるようになっているが、特にプライマリ・ケアの分野では、まだ十分に活用されていないアプローチである。本研究では、費用分析とともに後ろ向きデータレビューを行い、9年間のVCI実施の財政的および受容性の結果を調査する。

方法:2011年に、community-basedなアカデミック家庭医療研修プログラムにおいて、電子レジデンシー申請サービス (ERAS)の申請審査を経て適切な候補者がVCIに選ばれるよう、VCIが採用プロセスに組み込まれた。VCIの結果をふまえて、候補者がは、構造化された面接ツールを介して招待され、その後最終的なランク決定のために対面での面接が行われた。面接プロセスにかかる費用は、VCIに対する認識と同様に追跡された。

結果:9年間にわたるVCIの実施により、対面での面接は中央値で48%削減となった。すなわち、195回のVCIsが行われたうち95人が除外された。これは、志願者とプログラムの双方にとっての間接的なコスト削減に加え、プログラムに割り当てられたコストの55%の削減に相当し、年間の平均の直接的コスト削減額は9154ドルと見積もられていることを示している。

結論:対面面接のみの場合と比較して、VCIの利用は研修プログラムと志願者の双方にとってより費用対効果が高く、志願者にとっては採用プロセスの初期段階でより個人的な体験ができる可能性がある。教員と志願者の間での受容性については、限られたデータではあるが概ね良好だが、依然としていろいろな意見が混ざっていた。