医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Effects on Physician Practice After Exposure to a Patient-Centered Care Curriculum During Residency (J Grad Med Educ 2020)

Christmas C, Dunning K, Hanyok LA, Ziegelstein RC, Rand CS, Record JD. Effects on Physician Practice After Exposure to a Patient-Centered Care Curriculum During Residency. J Grad Med Educ. 2020;12:705-709.

背景:2007年に、患者中心の新しいカリキュラムが、内科の研修プログラムで実施された。研修で教えられたことが卒業後の診療に影響を与えるというevidenceはほとんど発表されていない。
本研究では、卒業生が、この患者中心のカリキュラムへの参加の長期的な影響を感じているかどうかを評価することを目指した。

方法:2015年7月から9月にかけて、量的・質的要素を含むウェブベースの調査票を、プログラム卒業生に送り、このカリキュラムの現在の診療への自己申告の影響を評価した。卒業生は、トレーニング中、2-8週間もの時間を介入チームに費やした。自由回答式の質問については、編集分析法 (editing analysis method)を用いて、2名の研究者によって独立してコード化された。

結果:2007年から2014年までに1年以上のトレーニングを修了したresident 150人のうち、メールアドレスが利用可能な110人中94人 (85%)が本調査に回答した。回答者のうち、21人 (22%)はまだフェローシップレーニング中であり、71人 (76%)はフルタイムの診療に従事していた。大部分の回答者が、その経験が自らの医師としてのトレーニングにとって価値のあるものだったかどうか (72人、77%)、自分の診療に影響を及ぼしているかどうか (59人、63%)という質問に対して、「大いに」と回答した。フリーテキストコメントでは、residentは、その経験により、social determinants of healthの理解、コミュニケーションスキル、関係性構築、個々の患者に合わせた治療を行う能力が上がったと感じたことを示唆していた。

結論:内科研修卒業生は、患者中心のカリキュラムへの曝露が、自らの診療に、重要で持続的な効果をもたらしていると報告した。