医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A remote access mixed reality teaching ward round (Clin Teach 2021)

Bala L, Kinross J, Martin G, Koizia LJ, Kooner AS, Shimshon GJ, Hurkxkens TJ, Pratt PJ, Sam AH. A remote access mixed reality teaching ward round. Clin Teach. 2021 Mar 30. Epub ahead of print.

背景:臨床学習の機会へのアクセスが不均一で、指導に一貫性がないことは、医学生の間で共通の不満の原因となっている。COVID-19パンデミックの際には、臨床教育のための患者との接触が限られていたため、この問題は悪化した。

方法:我々は、ロンドンの教育病院において、mixed reality (MR)技術 (HoloLens2™)を用いて、遠隔アクセスによる教育用病棟ラウンドを実施し、概念実証研究 (proof-of-concept study)を行った。

結果:学生は、この技術の使用は楽しく、他の方法ではアクセスできない教育を提供するものであると満場一致で同意した。参加者の大半は、MR(ホログラフィック)コンテンツについて肯定的な意見を述べ(11人中8人)、病棟回診を担当する臨床医と対話し、質問に答えてもらえることに賛成した (9人)。学生、患者、教員からの定量的、自由記述によるフィードバックは、この方法が臨床教育の実施可能で、受容可能で、効果的な方法であることを示している。

結論:我々は、この技術を新しい方法で使用して、医学教育の提供を変革し、高品質な教育への一貫したアクセスを可能にした。これは現在、カリキュラム全体に統合することができ、専門クリニックや外科へのリモートアクセスも含まれるだろう。また、将来の世代の医学生や医師が国際的な規模で利用できるように、独自のMR教育リソースのライブラリが作成される予定である。