医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Physical fitness decline and career paths: a longitudinal study of medical undergraduates (BMC Med Educ 2024)

Tang H, Wang J, Bao J, Zhang L. Physical fitness decline and career paths: a longitudinal study of medical undergraduates. BMC Med Educ. 2024;24:513.

背景:運動は健康と競争力を高める。体力がしっかりしていれば、将来有望な道を切り開くことができる。本研究では、医学部の学部生を対象に、身長、体重、BMI、肺活量、ダッシュ長距離走立ち幅跳びなどの体力指標について、大学時代における時系列的な推移を示した。さらに、学生の体力が進路に与える影響についても分析した。

方法:中国南西部の大学に在籍する医学生634名の体力テストデータと進路情報を収集し、レトロスペクティブ・データベース研究を実施した。これらの学生は2022年に卒業した。進路には進学、就職、失業が含まれる。これらの側面における差異を検出するために、t検定とカイ二乗検定を用いた。

結果:本研究は、医学生の大学時代における体力の著しい低下傾向を示している。第1回から第4回までの間に観察された変化は以下の通りである: 体重(kg) 58.52 ± 10.48から60.73 ± 12.07, P < 0.00, BMI(kg/m^2)  20.79 ± 2.74から21.24 ± 3.06, P < 0.00, 50m走(秒) 8.91 ± 0.99から9.25 ± 1.11, P < 0.00, 立ち幅跳び(cm) 187.74 ± 30.98から182.59 ± 32.25, P < 0.00, 女子800m走(分) 3.84 ± 0.47から4.48 ± 0.85, P < 0.00, 男子1000m走(分) 3.98 ± 0.63から4.62 ± 0.87, P < 0.00, 女子腹筋(回数) 30.39 ± 7.5回から29.03 ± 8.82回, P < 0.00。体力の変化と進路の相関を分析したところ、BMIが安定している、あるいは低下している学生は、BMIが上昇している学生に比べ、卒業後のアウトカムが良かった。

結論:医学生は学部時代に体力の低下傾向を示す。良好な身体的健康状態は、より良いキャリアパスを実現するために有益である。医学生は、在学中に運動をより重視すべきである。