医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Maximizing clinical rotation placements for US medical students: exploring an optimization model (Med Educ Online 2022)

Beck Dallaghan GL, Lin X, Melvin JK, Golding J, Steiner B, Kulkarni V. Maximizing clinical rotation placements for US medical students: exploring an optimization model. Med Educ Online. 2022;27:2024488.

背景:米国のメディカルスクールは長年にわたり、医学生の教育をcommunity-basedのprivateな臨床医に頼ってきた。しかし、医学生を臨床に受け入れてくれる医師は減少の一途をたどっている。最近のパンデミックに関する問題から、学生が有意義な臨床経験をするためにどれくらいの患者を診るべきかについて疑問が持たれている。

方法:16週間の縦断的臨床体験の一環として、医学生は毎週2日間、家庭医学または内科のクリニックで過ごす。繰り返しが学習を促進するため、学生が診る患者数を最大化することが重要である。そこで、mixed integer linear programを用いて、学生がローテーション中に受診する患者数を最大にする最適なスケジュールを求めた。メディカルスクールで使用している診療所について、2018年1月から4月までの患者受診状況を収集した。空でないすべての曜日・診療所の組み合わせで学習者一人当たりの最小患者数を最大化することで、仮定に基づく公平なローテーション計画を実現する。

結果:このパイロットスタディでは、診療所に割り当てる学生数を変えて複数の実験を行った。また、各実験では、与えられた学生の週単位のローテーション計画も作成された。この最適化モデルに基づき、16週間における学生1人あたりの最小患者数は87人(1日3人)であり、実際に1つのクリニックに割り当てられる学生数は、1ローテーションあたり1人から8人へと増加させることができた。

結論:mixed integer linear programは、最適かつ最も公平な学習の質を達成するために、より多くの学生を、より多くの総受診者数を持つ診療所に割り当てることができた。また、学生数を変えて様々な実験を行うことで、学生の診る患者数に影響を与えることなく、より多くの学生を割り当てることができることが確認された。

個人的所感:数が全てだとは思いませんが、数が大事なことは確かですし、良い着眼点だと思います。詳しい手法については、本文を読まないとわかりませんが。。。