医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Analysis of physical learning spaces in a university hospital: A case study (Med Teach 2021)

Flores-Sánchez AR, Gutiérrez-Cirlos C, Sánchez-Mendiola M. Analysis of physical learning spaces in a university hospital: A case study. Med Teach. 2021 Dec 3:1-7. Epub ahead of print.

背景:物理的な学習スペースの属性 (attributes of physical learning spaces)は、学習を促進したり妨げたりする可能性がある。病院におけるこのトピックに関する研究はほとんどない。本研究の目的は、大学病院における物理的な学習スペースの特徴を探ることである。

方法:セッティングは、メキシコシティにあるメキシコ国立自治大学付属の大規模な研究志向の公立大学病院である。物理的な学習スペースとその属性を特定するためのアンケートと、効果的な学習を促進するスペースの特性を評価するためのthe Learning Space Rating System (LSRS)の2つの手段を用いて、本質的なケーススタディを実施した。

結果:アンケートには、医学生49名と内科医60名が回答した。学生が最も重要視した属性は、「インストラクターがいること」、「静寂」、「座席の快適さ」、「インターネットへのアクセス」であった。また、LSRSツールを用いて学習空間の評価を行ったところ、臨床病棟ディスカッションルーム(74%)、外部相談室(71%)、講堂(70%)、教室(68%)、図書館(66%)、入院室(61%)の順であった。

結論:医学教育における物理的な学習空間は、学生が学習に適していると考える属性を特定し、空間の再設計や再利用のために必要な情報を提供するために、正式に評価することができる。医学教育の学者や研修生は、大学や病院の建物の設計や評価に参加すべきである。