医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Capturing the impact of cultural differences in residency (BMC Med Educ 2021)

Archibald D, Eyre A, Szczepanik D, Burns JK, Laroche L. Capturing the impact of cultural differences in residency. BMC Med Educ. 2021 Feb 18;21:115.

背景:卒後研修は、研修医が見習い (apprenticeship)の環境のなかで、医学的能力と専門家としてのアイデンティティの両方を獲得する期間である。状況学習が示唆するように、このような見習いの重要な側面は、研修生が専門家、つまり医師になる前に、正統的に業務に参加することができる方法である。参加を妨げる要因の一つは、学習者と臨床環境との間の文化的な違いである。本研究の目的は、文化の違いがresidnet、特に国際的な医学卒業生 (IMG)にとってどの程度障壁となっているかを評価することである。

方法:2014-15年に、ヒエラルキーの感覚、個性 vs チームワーク、リスクへの耐性などを評価するサブスケールを含む質問紙を作成した。我々はこの質問紙を、卒後教育の専門家からなるレビューパネルに提出し、residentとの"think aloud"セッションを行うことで、より洗練されたものにした。

結果:この尺度を試験的に実施したところ、Cronbachのアルファ係数は0.675であった。多くの専門分野を代表するresidentと教員の大規模なグループに配布したところ、 the Impact of Cultural Differences on Residency Experiences (ICDRE)質問紙では、カナダの医学卒業生と国際的な医学卒業生の平均的な意見が異なるいくつかの項目が明らかになった。両グループは全体的には実質的な違いはなかった、各グループ内での文化的信念の興味深い多様性が観察された。

結論:ICDREは、個々の研修医にとって課題となる可能性のある信念を同定したり、residentの集団の傾向を把握して、専門プログラムがその傾向に積極的に対処できるようにするために有用であることが示唆された。また、ICDREは、プリセプターが研修医の専門性を評価する際のアンカーとなる言語を提供し、介入型コーチングツールとしての役割を果たす可能性がある。