医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Are Pre-clerkship Remediation, Grading, and Reporting Practices Equitable in the U.S.? A National Survey (Teach Learn Med 2024)

Eidtson WH, Konopasky A, Fong J, Schmitt KE, Foster-Johnson L, Lyons VT. Are Pre-clerkship Remediation, Grading, and Reporting Practices Equitable in the U.S.? A National Survey. Teach Learn Med. 2024 Jul 1:1-10. Epub ahead of print.

背景:卒前医学教育のプレ・クラークシップ段階における合否判定方法の普及に伴い、成績評価と成績報告方法の透明性とばらつきについて疑問が生じ、特にレジデンシーのマッチングに関する評価の公平性の問題が提起されている。本調査の目的は、米国(U.S.)のallopathic medical schoolのカリキュラムのプレクラークシップ段階におけるremediationおよび成績報告方法を明らかにすることである。

方法:広範な文献調査を行い、カリキュラムの学部長や学習の専門家からフィードバックを得た後、2022年春に米国の認定された全154のallopathic medical schoolsのプレクラークシップ・カリキュラム担当者に送付する調査票を作成した。調査内容は、カリキュラムの内容と構成、プレクラークシップのremediation(例:コースの再履修)と報告(例:成績表の表記の永続性)の実践、非学業能力の文書化と報告、報告・透明性・公平性に関する参加者の意見と推奨事項を取り上げた。また、記述統計と自由回答式設問のmanifest codingを行った。

結果:回答率は40%(62/155)で、71%以上が主に臓器システム・ベースのカリキュラムであると回答した。状況に応じて、個別指導や学習サポート、再試験、昇進委員会への照会など、単一コースや複数コースの不合格に対する救済アプローチは多岐にわたった。プロフェッショナリズムに関する懸念は、研修ディレクターに報告する最優先事項であったが、回答者の意見や改善活動の報告方法には大きなばらつきがあった。回答者は、柔軟な成績評価方法と報告方法の透明性の両面から、公平性を懸念していた。

結論:学校によって報告方法にばらつきがあることは、学業支援への全体的で個別的なアプローチを可能にする一方で、潜在的な不公平を生む。教育機関によって異なる報告方法が、準備段階において社会から疎外され、マイノリティ化した学生グループにどのような不利益を与えるかを理解するためには、さらなる研究が必要である。