医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Self-assessment, and not continuous training, improves basic open suturing skills (Med Educ Online 2024)

Hillemans V, Buyne O, de Blaauw I, Botden SMBI, Verhoeven BH, Joosten M. Self-assessment, and not continuous training, improves basic open suturing skills. Med Educ Online. 2024;29:2374101.

背景:縫合技術を獲得し維持するためには、臨床曝露が重要である。臨床曝露が保証されない場合には、縫合技能のための適切なトレーニングスケジュールが必要となる。本研究では、基本的な開腹縫合スキルに対する継続的トレーニング、「実践前の振り返り」、および自己評価の効果を評価する。

方法:医学生は、外科ローテーションの前(「プレテスト」)と後(「アフターテスト」)に、設定されたシミュレーションで4つの基本的な縫合作業を行った。参加者は3群に分けられた:「臨床曝露群」(n = 44)はローテーション中に臨床曝露のみを行い、「継続的訓練群」(n = 16)はローテーション中に縫合インターバル訓練を行い、「自己評価群」(n = 16)も縫合インターバル訓練を行ったが、実践前の振り返りと自己評価を行った。縫合作業中にトラッキングシステムによって測定されたパラメーターと、算出された「複合スコア」が、グループ間およびテスト・モーメント間で比較された。

結果:すべての基本的な縫合作業において、事前テストと比較して事後テストでは、すべての群で有意に良好な総合得点が認められた(0.001 ≦ p ≦ 0.049)。自己評価群は、「手で結び目を作る」(0.004 ≦ p ≦ 0.063)を除くすべての作業において、他の2群よりもテスト前の得点が高かった。しかし、このグループは、すべての課題において、他の2つのグループと比較して、テスト後のスコアは良かったわけではない。その結果、自己評価群では、時間(「経皮縫合」、p = 0.013)、距離(「ドナティ縫合」と「皮内縫合」、0.005 ≦ p ≦ 0.009)または複合得点(手による結び目を除くすべての課題、0.007 ≦ p ≦ 0.061)のデルタが小さくなった。

結論:基本的な開腹縫合作業の継続的トレーニングにおいて、実践前の振り返りと自己評価を行うことは、学習曲線の初期段階において手術技能を向上させる可能性がある。