医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Grit, resilience and growth-mindset interventions in health professional students: A systematic review and meta-analysis (Med Educ 2024)

Calo M, Judd B, Peiris C. Grit, resilience and growth-mindset interventions in health professional students: A systematic review and meta-analysis. Med Educ. 2024 Apr 10. Epub ahead of print.

背景:Gritとresilienceとgrowth-mindsetは、医療専門家養成の課題に積極的に適応する学生の能力に影響を与える。しかし、介入によってこれらの特性を改善できるかどうかは不明である。このシステマティック・レビューでは、介入が医療専門職の学生においてこれらの特性を改善できるかどうか(一次)、また学業および/またはウェルビーイングの結果(二次)への影響を探ることを目的とした。

方法:CINAHL, MEDLINE, Eric, Embaseの包括的検索を、開始から2023年3月15日まで実施した。医療専門学生のGritとresilienceとgrowth-mindsetを改善することを目的としたランダム化または非ランダム化対照試験、および単群介入研究を組み入れる対象とした。2名の査読者が独立して研究の組み入れをスクリーニングし、Mixed Methods Appraisal Toolを用いて質を評価した。ランダム化対照試験と非ランダム化対照試験の介入後データをランダム効果モデルを用いてプールし、標準化平均差(SMD)と95%信頼区間(CI)を算出した。

結果:レジリエンスへの介入は、990人の参加者を対象とした13の試験で中程度の量(プールSMD 0.74、95%CI 0.03~1.46)、740人の参加者を対象とした10の試験で介入期間が1セッションを超える場合には大きな量(プールSMD 0.97、95%CI 0.08~1.85)で、レジリエンスを改善した。グリットおよび成長-マインドセット介入は、グリット(プールSMD 0.48、95%CI -0.05~1.00、n=2)および成長-マインドセット(プールSMD 0.25、95%CI -0.18~0.68、n=2)を少量改善した。レジリエンス介入は、ストレス認知をわずかに減少させた(プールSMD -0.38、95%CI -0.62~-0.14、n=5)。

結論:レジリエンス介入は、医療専門職の学生のレジリエンスを改善し、ストレス認知を減少させる。予備的な証拠は、グリットおよびグロースマインドセット介入が医療専門職の学生にも有益であることを示唆している。介入は、1セッションよりも長く、ベースラインのレジリエンスおよびグリットレベルが低い学生を対象とした場合に最も効果的である可能性がある。