医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

'My doctor self and my human self': A qualitative study of physicians' presentation of self on social media (Med Educ 2024)

Maggio LA, Céspedes L, Fleerackers A, Royan R. 'My doctor self and my human self': A qualitative study of physicians' presentation of self on social media. Med Educ. 2024 Apr 10. Epub ahead of print.

背景:ソーシャルメディアを利用する際、医師は仕事上と個人的なアイデンティティを分けることが推奨され、訓練されている。しかし、この分離は困難であり、オンライン上での個人的存在と職業的存在の曖昧さが患者の信頼に影響を及ぼす可能性があるため、望ましくないことさえある。したがって、ソーシャルメディアにおける個人と職業との境界の曖昧さにもっと対応できるような政策や教育資源を開発する必要がある。本研究は、そのような政策やリソースに情報を提供するために、医師がオンライン上でどのように自分自身を総合的に表現しているかを理解することを目的とする。

方法:ソーシャルメディアを利用している米国在住の医師28名にインタビューを行った。参加者には、ソーシャルメディア、特にTwitter(2023年に'X'としてリブランディングされた)をどのように、またなぜ利用しているかについて尋ねた。インタビューは、参加者のTwitterプロフィールからのデータによって補完された。データは、ゴフマンのドラマトゥルギー・モデルに導かれたreflexive thematic analysisを使って分析された。このモデルは、社会的相互作用のなかで、個人がどのようにアイデンティティ(顔)の側面をコントロールしようとしているかを特徴づけるために、舞台というメタファーを用いている。

結果:参加者は、プロフェッショナルな顔(例:ネットワーカー)と、より個人的な顔(例:人間)を含む7つの顔を提示した。参加者は、ツイートやプロフィールにおける言説的な選択を通じて、これらの顔を作り上げ、維持した。我々は、これらの顔の交差点における重複と緊張を特定し、それが参加者に仕事上および個人的な課題をもたらした。

結論:医師は、様々なコミュニケーションの状況において、その目的や動機に応じて、より専門的な顔や個人的な顔を戦略的に強調し、ターゲットとする聴衆によりよく届くように言葉や内容を調整する。これらの顔の間で緊張が生じる一方で、医師はソーシャルメディア上で、丸みを帯びた一体感のある自身のイメージを映し出すことを依然として好んでいる。このことは、ソーシャルメディアポリシーと関連する教育的イニシアチブを再考し、これらのデジタル環境の現実により合致させる必要性を示唆している。