医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Predicting Medical Student Performance With a Situational Judgment Test in Admissions (Acad Med 2023)

Ballejos MP, Cestone C, Copeland HL, Dunleavy DM, Geiger T, Patel D. Predicting Medical Student Performance With a Situational Judgment Test in Admissions. Acad Med. 2023 Nov 17. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、AAMC状況判断テスト(situational judgment test; SJT)得点、他の入試データ、および学習者の医学部成績との相関を調査することである。

方法:2017年に米国の医学部設置校8校の医学部1年生と2年生がAAMC SJTのプロトタイプ版を受験した。アウトカムは、2017~2018年度および2018~2019年度の、学生の成績に関する研究のみの教員の評価、最終的なコースの成績、および学生の成績に関する教員の評価であった。二変量相関を用いてSJTスコアと学生の成績結果との関係を調査し、階層的回帰を用いてSJTスコアが学生の成績結果を予測するうえでMCAT総スコアや学部累積評定点平均(UGPAs)よりも増分的な妥当性を提供するかどうかを調査した。

結果:一般的に、医学部1年次から研究のみの教員の評価との正の相関は小さく、社会的スキル/サービス志向性(rcorrected = .33, P < .05)が最も高かった。相関はより高く、医学部2年目では社会的スキル/サービス志向と文化的能力(それぞれrcorrected = .33と.36, P < .05)が最も高かった。SJT得点は、1年次では信頼性と信頼性/改善能力、文化的能力、社会的スキル/サービス志向、総合得点、2年次では回復力と適応性、社会的スキル/サービス志向、文化的能力、総合得点について、MCATの総得点やUGPAよりも研究のみの教員の評価の予測を向上させた。SJTスコアは、コースの成績(rsample-weighted = 0.10, P = ns)およびプロフェッショナリズム・スキルに関連する教員の評価(rsample-weighted = 0.14, P < 0.05)とわずかな相関を示したが、MCATの総スコアはコースの成果に関連する分散のほとんどを説明した。

結論:これらの研究は、SJTのスコアがプロフェッショナルな行動に対する教員の評価に関連し、MCATのスコアやUGPAに関連するユニークな情報を提供することから、医学部入試プロセスに付加価値を与える可能性があることを示す最初の証拠となる。