医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Using Group Concept Mapping to Explore Medical Education's Blind Spots (Teach Learn Med 2023)

Tackett S, Steinert Y, Mirabal S, Reed DA, Wright SM. Using Group Concept Mapping to Explore Medical Education's Blind Spots. Teach Learn Med. 2023 Oct 27:1-11. Epub ahead of print.

背景:すべての個人や集団には盲点があり、それがミスを招き、偏見を永続させ、革新を制限する。この研究の目的は、米国における盲点を探し出すことによって、医学教育において盲点がどのように現れるかをよりよく理解することである。

方法:グループ・コンセプト・マッピング(GCM)を実施した。これは、ブレーンストーミングでアイデアを出し合い、コンセプトの類似性によって分類し、分類者間のコンセンサスを表すポイントマップを作成し、クラスター・マップを解釈して最終的なコンセプト・マップを作成する研究手法である。本研究の参加者は、米国の医学教育システムの関係者(学習者、教育者、管理者、規制者、研究者、商業資源生産者など)と、より広範な米国の保健システムの関係者(患者、看護師、公衆衛生専門家、保健システム管理者など)である。参加者全員が、以下のフォーカスプロンプトに対してブレインストーミングを行った: 「米国の医療システムにおいて患者の健康ニーズを満たすことのできる医師を育成するためには、医学教育は......に盲目的にならない(あるいはもっと注意を払う)べきである。このプロンプトに対する回答は、我々の研究チームによってレビューされ、統合された。GCMソフトウェアは、多次元尺度構成法を用いて並べ替えの解答を組み合わせてポイントマップを作成し、クラスター分析を行ってクラスター解答の選択肢を生成した。我々の研究チームは、最終的なコンセプトマップを決定するために、5クラスターから25クラスターまでのすべてのクラスター解決策を検討し、解釈した。

結果:ブレインストーミングでは、27人のステークホルダーが298の盲点を共有した。冗長性を減らすため、分類の準備としてこれらを208に減らした。10人の関係者が独自に盲点を分類し、最終的なコンセプトマップには、(1)入試プロセス、(2)教育実践、(3)評価とカリキュラムデザイン、(4)教育と健康における不平等、(5)専門職としての成長とアイデンティティ形成、(6)患者の視点、(7)チームワークとリーダーシップ、(8)医療システムのケアモデルと財務慣行、(9)政府と事業政策に関連する9つの領域と72のサブドメインが含まれた。

結論:医学教育における盲点を特定するために、多様なステークホルダーから視点を募った結果、より注意を払うべき様々な問題が明らかになった。また、このコンセプトマップは、リソースの優先順位付けや、変化を促し医学教育を患者や地域社会の健康ニーズにより合致したものにするための介入策を指示するために使用することができる。