Leep Hunderfund AN, Kumbamu A, O'Brien BC, Starr SR, Dekhtyar M, Gonzalo JD, Rennke S, Ridinger H, Chang A. "Finding My Piece in That Puzzle": A Qualitative Study Exploring How Medical Students at Four U.S. Schools Envision Their Future Professional Identity in Relation to Health Systems. Acad Med. 2022 Jul 5. Epub ahead of print.
背景:医療システム科学(HSS)カリキュラムは、将来の医師が患者、集団、医療システムのアウトカムを改善する(すなわち、"systems citizens"になる)ように教育するが、医学生が医師の役割についてこの概念をどの程度内面化しているかは不明なままである。本研究は、学生がシステムとの関係において将来のプロフェッショナル・アイデンティティをどのように思い描くかを探り、アイデンティティ形成のこの側面に関連する経験を明らかにすることを目的とした。
方法:2018年12月から2019年9月にかけて,著者らはHSSカリキュラムを有する米国の4つのメディカルスクールで48人の学生にインタビューを行った。半構造化インタビューはオーディオ録音され、書き起こされ、帰納的テーマ分析を使って反復的に分析された。インタビューの質問は、学生がどのように医療システムを理解しているか、将来の医師として想定しているシステムに関連する活動、そして彼らの視点を形成する経験と考察を探った。
結果:将来の医師像については、ほとんどの学生が1つ以上のシステム関連の役割を担うことを想定しており、患者やコミュニティレベルで行う「ボトムアップ型」の取り組み(ヒューマニスト、コネクター、スチュワード)、機関や政策レベルで行う「トップダウン」型の取り組み(システム改良者、システム学者、政策提言者)に分類されることが示された。その活動には、健康の社会的決定要因への配慮や医療が行き届いていない人々への対応、システムに関連する障壁に対処するために患者とチームメンバーをつなぐこと、医療資源の管理、質向上プロジェクトの実施、システムのテーマの研究/教育、政策変更のための提唱などが含まれている。学生は、システム関連の願望を、HSSカリキュラム以外の経験(例:低所得の背景、仕事やボランティア経験、卒前の勉強、システムの課題が患者にどのように影響するかを知ること、協力的なクラスメート、教員、組織文化など)に起因すると考えているようである。学生は、システム関連の役割(責任、親和性、能力、効力、優先順位、現実、結果)への帰属を促進したり弱めたりする、未来志向の考慮事項について述べている。
結論:本研究は、HSSカリキュラムを有する4校の医学生が、将来の医師としてのアイデンティティの一部として思い描くシステム関連の役割を明らかにし、その役割との同一性を形成する過去/現在の経験や未来志向の考察を強調するものであった。これらの知見は、システムとの関わりを含むプロフェッショナル・アイデンティティ形成を支援するための実践的な戦略を支持するものである。