医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

An outcomes research perspective on medical education: Has anything changed in the last 18 years? (Med Teach 2022)

Emery M, Wolff M, Merritt C, Ellinas H, McHugh D, Zaher M, Semiao ML, Gruppen LD. An outcomes research perspective on medical education: Has anything changed in the last 18 years? Med Teach. 2022 Jul 20:1-8. Epub ahead of print.

背景:患者中心のアウトカムに焦点を当てた医学教育研究は、医学教育者による意思決定の改善につながることが期待される。2001年、PrystowskyとBordageは、主要な医学教育雑誌の調査において、患者中心のアウトカムが評価されている研究は1%未満であることを明らかにした。多くの人が医学教育に関する文献に患者中心の結果を含めることを求めているが、この必要性がどの程度体系的に扱われているかはまだ不明である。

方法:原著と同じデータソース(Academic Medicine, Medical Education, Teaching and Learning in Medicine)を用いて、PrystowskyとBordageの研究を再現することを目指した。これら3つのジャーナルソースから、2014年から2016年にかけてのオリジナルの実証研究報告からデータを抽出した。包含基準を満たした652の論文を選択し、さらなる分析を行った。

結果:研究参加者は主に研修生(研究の64%)または教員(研究の25%)であった。積極的または受動的な参加者として患者を含む研究はわずか2%であった。研究成果は、満足度(40%)、パフォーマンス(39%)、専門性(20%)、コスト(1%)と報告されている。

結論:これらの結果は、2001年に行われたオリジナルの研究と大きな違いはない。これら3つの著名な学術誌に代表される医学教育に関する文献は、患者中心の結果に重点を置くことにほとんど進展がないことがわかる。