医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Understanding medical student paths to communication skills expertise using latent profile analysis (Med Teach 2023)

Altshuler L, Wilhite JA, Hardowar K, Crowe R, Hanley K, Kalet A, Zabar S, Gillespie C, Ark T. Understanding medical student paths to communication skills expertise using latent profile analysis. Med Teach. 2023 Mar 24:1-8. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、カリキュラムの強化や医学生へのコーチングの指針となる臨床コミュニケーションスキルのパターンを記述することである。

方法:9つのコホート(2011年~2019年)の同意のある医学部3年生1182名から、8ケースのハイステークスの総合臨床技能試験(CCSE)の一部として、訓練された模擬患者が記入した17項目の臨床コミュニケーション技能評価ツール(CCSAT)のパフォーマンスデータを、潜在プロファイル解析(latent profile analysis; LPA)を用いて分析した。評価項目は、情報収集(6項目)、関係構築(5項目)、患者教育(3項目)、組織・時間管理(3項目)である。LPAは、ケース間の項目回答パターンに基づき、強弱が似ている学習者をプロファイルに分類した。ANOVAにより、CCSATの項目についてプロファイルによる有意差の有無を評価した。

結果:学習者のパフォーマンスは、高成績プロファイル(HP1およびHP2-低患者教育、15.7%)、平均成績プロファイル(AP1およびAP2-割り込み、40.9%)、低成績プロファイル(LP1-非割り込みおよびLP2、43.4%)の3群6プロファイルにクラスター化し、モデル適合推定値が適切で、各群で同様の分布が見られた。また、学習者のスキルプロファイルを識別するCCSAT項目は3つであった。

結論:臨床コミュニケーションスキルのパフォーマンスプロファイルは、カリキュラムの改善やコミュニケーションスキルコーチングの調整において、ニュアンスやベンチマークに基づいた指針を提供する。