医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Physicians' knowledge, attitude and perceptions towards vaccine-hesitant parents: a cross-sectional study (BMC Med Educ 2023)

Albaker AR, Azer SA, AlKhorayef M, Dakheel NKB, AlMutairi S, AlHelal S, Aljohani R, Maghrabi S. Physicians' knowledge, attitude and perceptions towards vaccine-hesitant parents: a cross-sectional study. BMC Med Educ. 2023;23:637.

背景:研究により、医師がワクチン接種をためらう親(VHPs)の増加に遭遇していることが示されている。本研究では、医師のワクチン接種に関する知識、VHPsとのワクチンに関する話し合い、ワクチン接種のためらいに関する信念と対応、VHPsとワクチン接種について話し合う際に直面する課題について検討した。

方法:この横断的記述研究は、2020年9月にサウジアラビアのリヤドにあるKing Saud University Medical City(KSUMC)で行われた。データは電子メールで配布した質問票により収集した。サンプルは、日常的に小児を診療しており、VHPsに遭遇した際に適切なワクチンに関する話し合いを頻繁に行うと回答した医師90名であった。

結果:90名(59%が女性)がアンケートに回答した。そのうち37.8%が家庭医療、7.8%がプライマリケア、54.4%が小児科であった。最も多く議論されたトピックは、ワクチンの必要性、ワクチン拒否の理由、ワクチンの安全性であった。17名(18.8%)が非常に自信があると回答し、42.2%がワクチンに特化した知識に自信があると回答した。コミュニケーションスキルに対する自信については、22.2%が「非常に自信がある」、45.6%が「自信がある」と回答した。知識およびコミュニケーションスキルに対する自信の高さの決定因子は、医師の年齢(それぞれp = 0.001、p = 0.0001)、診療年数(p = 0.002、p = 0.005)、1勤務日あたりの診察患者数(p = 0.0001、p = 0.024)であった。医師の性別(p = 0.062)、診療分野(p = 0.329)、1週間の勤務時間(p = 0.061)など、その他の要因に有意差はなかった。46名(51%)の医師は、診察中に他に議論すべき問題が多すぎるため、ワクチンに関する適切な議論を行うことが困難であると感じることがある。さらに、53人(59%)の参加者は、親がワクチン接種を拒否すると過失が疑われることに同意/強く同意した。一方、親のワクチン拒否は親の権利であることについては、59人(65%)が反対/強く反対した。参加者からは、VHPsの課題を克服するためには、優れた経験と交渉力を持つ専門のアドバイザリー・クリニックを紹介する必要があるとの意見が出された。

結論:ワクチンの安全性と必要性は、VHPsにとって最も関心の高い話題であり、このような状況に対応するためには、有能なコミュニケーション能力を備えた知識豊富な医師が不可欠である。本研究は、ワクチンに関する話し合いを成功させるために最も障壁となるものを明らかにした。この研究は、親の自律性といった根本的な倫理原則と、VHPsにおける医師の訓練の必要性を提起している。VHPsのワクチンカウンセリングを成功させるために医師を訓練する。