医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Investigating factors that influence residency program selection among medical students (BMC Med Educ 2023)

Alaqeel SA, Alhammad BK, Basuhail SM, Alderaan KM, Alhawamdeh AT, Alquhayz MF, Alzunaidi AM, Alrashed FA. Investigating factors that influence residency program selection among medical students. BMC Med Educ. 2023;23:615.

背景:医学生インターンは、キャリア形成の過程でいくつかの決断を迫られる。その中でも最も重要な決断のひとつが、自分のキャリアの目標や希望に合った研修プログラムを選ぶことである。いくつかの要因が意思決定プロセスに影響を与えるため、選択プロセスは困難である。研修プログラム選択におけるGPAと機会の役割に関する研究は限られていた。そこで本研究では、インターンと医学部5年生の研修プログラム選択に影響を与える要因について検討する。

方法:サウジアラビアのリヤドにあるキング・サウド大学(KSU)で観察的および分析的横断研究を行った。対象は医学部5年生とインターンであった。この研究は、以下の8つの領域のうちの1つの研修プログラムを選択することを希望する学生のみを対象としている: 内科、家庭医療、整形外科、小児科、放射線科、外科、産婦人科、眼科。

結果:学部5年生の合計人数は205名(60.1%)、研修医の合計人数は135名(39.5%)であった。GPAは5段階中4.5以上の学生が51.0%と大半を占め、次いで3.5~4.5の学生が146名(42.8%)、3.5未満は21名(6.2%)のみであった。GPAが5段階中3.5未満の学生は、学業成績に関しては、好きな研修プログラムの専門分野がないことがわかった。さらに、GPAが3.5から4.5の学生の場合、研修プログラムを選択する際に、ある考え方を持っていた。GPAが3.5から4.5の学生では、産婦人科を選択する確率が1.9倍(OR = 1.9、p = 0.19)、次いで放射線科を選択する確率が1.5倍(OR = 1.5、p = 0.55)であった。成績優秀者では、眼科(OR = 1.7; p = 0.32)と外科(OR = 1.4; p = 0.31)が最も人気のある研修プログラムであった。また、GPAの高い学生(平均点=7.3)は、GPAの低い学生(平均点=6.8)よりも、より良い機会を考慮してキャリアを選択している。

結論:本研究は、医学生の学業成績と将来のキャリアで希望する専門分野との相関関係を浮き彫りにした。この研究結果は、ライフスタイル、社会生活、収入など他のさまざまな要因が、学生の希望する研修プログラムの専門分野に影響を与えうるという文脈で考慮されるべきである。