医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Early career experiences of international medical program graduates: An international, longitudinal, mixed-methods study (Perspect Med Educ 2022)

Brouwer EE, van Rossum TR, Frambach JM, Driessen EW. Early career experiences of international medical program graduates: An international, longitudinal, mixed-methods study. Perspect Med Educ. 2022 Jul 26. Epub ahead of print.

背景:海外で医学教育を受ける医学生はますます増えている。インターナショナル・メディカル・プログラム(IMPs)の卒業生は世界各地で活躍しているが、未知の国際環境に学生をどのように準備させるかは、複雑である。本研究では、IMP卒業生を初期キャリアを通じて追跡調査し、現在の卒前教育におけるギャップに関する洞察を提供する。

方法:この国際的な縦断的混合研究において、7つのIMPsの188名の卒業生が、キャリア選択と就職準備に関するベースライン調査に回答した。42名の参加者が、卒業後3年までフォローアップを行った。9名の卒業生が、個人の経験と考え方の変遷に関する半構造化インタビューに参加した。多段階の連続したデザインにより、ベースライン時に収集されたデータは、その後のデータ収集手段に反映される。

結果:2つの典型的な学生像が浮かび上がった。1つは、海外留学の難しさにもかかわらず、母国で働くことを共通の目標として「とにかく (anyhow)」医学の学位を取得しようとする学生である。もう一人は、国際的なキャリアを想定して、意図的にIMPを選択した人である。卒業から2年後、参加者の大多数(70%以上)は、研修国以外の国で働いていた。彼らは、免許取得、求職手続き、医療制度に慣れることに関する課題を報告した。参加者の経験は、キャリアガイダンス、ネットワーキング、入試準備など、国境を越えた移行を促進するためのカリキュラムの適応の可能性を示唆している。

結論:IMPの卒業生は、キャリア志向と国際的な経験という実践的な側面でのサポートが不足している。ほとんどのIMP は、基本的に卒業生が他の場所でキャリアを積めるように準備している。IMP卒業生がこの国境を越えたキャリア移行で経験するギャップと課題は、現在IMPカリキュラムに欠けている準備とガイダンスの責任を伴う。