医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Global Perceptions on Social Accountability and Outcomes: A Survey of Medical Schools (Teach Learn Med 2022)

Barber C, Chahine S, Leppink J, van der Vleuten C. Global Perceptions on Social Accountability and Outcomes: A Survey of Medical Schools. Teach Learn Med. 2022 Jul 29:1-10. Epub ahead of print.

背景:Social accountabilityは、医学教育において普遍的な要素となっている。しかし、メディカルスクールでは、この概念を運用し、実際に適用するための指針がほとんどない。本研究では、医学教育におけるsocial accountabilityに関する組織的実践と管理職の認識について調査した。

方法:14カ国245校の英語圏のメディカルスクール長およびプログラム・ディレクター/リーダーを対象に、オンライン調査を実施した。調査内容は、プログラムのミッション・ステートメント、入学プロセス、カリキュラムの内容、教育成果に関する38項目から構成されている。調査項目は、先行文献を参考に作成し、Context-Input-Process-Products(CIPP)評価モデルにより分類した。調査項目間の相互関係を評価するために、探索的因子分析(EFA)を用いた。また、McDonald's Omegaを用いて項目の信頼性と内部整合性を評価した。

結果:2020年2月から6月にかけて収集した14カ国81校のメディカルスクールの結果を紹介する。social accountabilityに関する制度的な共通性が観察された。しかし、我々の発見は、プログラムが主に教育のインプットとプロセスに焦点を当てており、必ずしもアウトカムに焦点を当てていないことを示唆している。EFAの結果、優れた内部一貫性と信頼性が示された。(1)選抜と採用、(2)組織的義務、(3)組織的活動、(4)コミュニティ意識、の4因子が抽出され、分散の71%を占めた。また、McDonald's Omegaによる信頼性の推定値は0.80-0.87であった。

結論:本研究では、social accountabilityに関する一般的な実践を明らかにした。多くのメディカルスクールがsocial accountabilityへの組織的コミットメントを表明しているが、コミュニティへの効果は未知数であり、評価もされていない。全体として、本論文は、social accountabilityの評価の運用と信頼性を支援する心理測定学的にサポートされたツールをプログラムや教育者に提供するものである。