Leahy J, Jo JJ, Steidl W, Appel J. Assessing the competitiveness of medical humanities research on psychiatry, otolaryngology, and ophthalmology residency program applications. Med Educ Online. 2023;28:2212929.
背景:医学部では、人文科学や芸術が患者のケアに役立つという認識が高まっており、医療人文科学研究は学生の関心の高い分野となっている。しかし、医学生は、レジデンシーの応募書類でどのように受け取られるかを恐れて、医療人文科学の研究を進めることを思いとどまることがある。
方法:本研究では、ニューヨーク州の精神科、眼科、耳鼻科の研修プログラム責任者(PDs)を対象に、人文科学研究を行う学生が自分のプログラムに応募する際の競争力についての意見を調査した。
結果:64人のPDsのうち、20人が回答を提出した(31.3%)。人文科学研究の経験しかない研修医志願者が、自分のプログラムに真剣に検討されるかどうかという質問に対して、95%のPDsが「はい」と回答した。さらに、65%のPDsが、臨床研究に加えて人文科学系の研究経験があれば、プログラムに受け入れられる可能性が高くなると回答した。また、30%のPDsは、医学人文科学がプログラムの重要な選考基準であると回答した。質的な回答では、個人的なエッセイのような非伝統的なプロジェクトも、学術的に厳密であれば、出版された雑誌記事と同じように有効であることが強調された。また、多くのPDsは、医療人文科学が研修医の思いやり、共感、コミュニケーション能力を高めると考えていた。
結論:これらの結果を考慮すると、医学生は、たとえ競争の激しい外科系専門医を志望しているとしても、医学人文科学を研究する力があると感じるはずである。人文科学研究を行うことは、そのプログラムへの入学を真剣に検討される可能性を低下させるものではなく、臨床研究を行う同級生よりも有利になる可能性さえある。