医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Measuring deliberate reflection in residents: validation and psychometric properties of a measurement tool (BMC Med Educ 2023)

Blum RH, Mai CL, Mitchell JD, Saddawi-Konefka D, Cooper JB, Shorten G, DunnGalvin A. Measuring deliberate reflection in residents: validation and psychometric properties of a measurement tool. BMC Med Educ. 2023;23:606.

背景:省察能力とは、"知識や経験を批判的に分析し、より深い意味を理解する能力"である。医学においては、卒後医学教育で意図的な省察を教える規定はほとんどない。改善のための介入策を開発するための一歩として、以前に検証された尺度を修正し、その実現可能性、採点特性、信頼性、妥当性、適応性を検討した。

方法:4つの麻酔科研修プログラムの3年目レジデントとフェローを対象に、2019年度末の前向き観察研究において、Reflection Evaluation for Learners' Enhanced Competencies Tool(REFLECT)を若干修正したものを実施した。不完全な麻酔状況の6つの書面化されたビネットが作成された。被験者はランダムに割り当てられた2つのビネットについて自分の見解を記録した。回答は5要素のルーブリックを用いて採点し、平均点を心理測定学的特性について分析した。独立した自己報告式の評価法である認知行動調査(Cognitive Behavior Survey)が用いられた: 構成概念妥当性の検討には、独立した自己報告式の評価法である認知行動調査(Cognitive Behavior Survey):(Residency Level:rCBS)を用いた。内部一貫性(ICR、クロンバックのアルファ)と評価者間信頼性(重み付けカッパ)を検討した。省察能力に関する2つの尺度の間にはピアソン相関係数が用いられた。

結果:46/136名の被験者が、ランダムに割り当てられた2/6ヴィネットを完了した。評価者間の一致は高かった(k = 0.85)。全体の平均REFLECTスコアは1.8(1-4スケール)であり、スコアの範囲に良好な分布がみられた。REFLECTスコア (mean 1.8, sd 0.5; α = 0.92)とrCBSの省察尺度 (mean 4.5, sd 1.1; α = 0.94)のICRはともに良好であった。REFLECTスコアとrCBSの省察尺度との間には有意な相関があった(r = 0.44, p < 0.01)。

結論:本研究は、医療系卒後研修生の省察能力を評価するための修正REFLECTルーブリックの実現可能性、信頼性、および十分に強固な心理測定特性を実証し、独立した尺度に対する構成概念/収束妥当性を確立した。この尺度は、省察能力の向上を意図した介入の有効性を評価する可能性がある。