医学教育研究者・総合診療医のブログ

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General practice undergraduate and vocational training: ambulatory teaching and trainers' curriculum and remuneration - a cross-sectional study among 30 member countries of WONCA Europe (BMC Med Educ 2023)

Devillers L, Friesse S, Caranta M, Tarazona V, Bourrion B, Saint-Lary O. General practice undergraduate and vocational training: ambulatory teaching and trainers' curriculum and remuneration - a cross-sectional study among 30 member countries of WONCA Europe. BMC Med Educ. 2023;23:439.

背景:general practiceのofficeでの本格的な外来研修が提案されないまま長い年月が経過し、general practice(GP)職業訓練が徐々に現れはじめ、卒前医学プログラムに組みこまれるようになってきた。本研究の目的は、WONCA(World Organization of National Colleges, Academies and Academic Associations of General Practitioners/Family Physicians)ヨーロッパの加盟国におけるGP職業訓練とGPトレーナーの概要を明らかにすることである。

方法:2018年9月から2020年3月にかけて、本横断調査を実施した。参加者は、リアルな会話、ビデオ会議、電子メールのやり取りでアンケートに回答した。回答者には、ヨーロッパのGPコングレス中に募集したGPカリキュラムに関わるGPトレーナー、教師、GPが含まれた。

結果:WONCAヨーロッパ加盟45カ国のうち30カ国から代表者がアンケートに回答してくれた。彼らの回答によると、卒前医学課程におけるGPインターンシップの期間は確立されているが、その長さは様々である。いくつかの国のプログラムでは、医学部卒業後、研修生のキャリア選択を確実にするために、GP専門医になる前にインターンシップを実施している。専門医取得後は、private practice GPインターンシップが提供されるが、病院でのGPインターンシップの方が一般的である。GP研修生は、研修期間中、もはや受動的な役割を担っているわけではない。GPトレーナーは特定の基準に基づいて選ばれ、各国ではいくつかの教員養成プログラムに従わなければならない。GPトレーナーは、GPトレーニーが行う診療の収入に加え、いくつかの国のGPトレーナーは様々な組織から追加報酬を受け取っている。

結論:本研究では、WONCAヨーロッパ加盟国において、卒前・卒後医学生がどのようにGPに触れているか、GPトレーニングはどのように組織されているか、GPトレーナーの実態について情報を集めた。我々のGPトレーニングに関する調査は、1990年代にIsabel SantosとVitor Ramosが収集したデータの更新を提供し、若くて優秀なGPを育成するために他の組織に刺激を与えることができるいくつかの特異性を記述している。