医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Epistemic discourses concerning the competence developed in a norwegian master's degree program in health science (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Kristoffersen M, Oftedal BF. Epistemic discourses concerning the competence developed in a norwegian master's degree program in health science. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Jun 12. Epub ahead of print.

背景:コンピテンスに関連する様々な言説 (discourse)が高等教育に影響を及ぼすと主張されているが、コンピテンス開発の根底にある言説についての理解は限られている。本研究の具体的な目的は、健康科学の修士号を持つ医療従事者の能力開発に関する認識論的言説を探ることであった。したがって、本研究は質的なものであり、談話分析を採用した。

方法:本研究には、29歳から49歳のノルウェー人医療専門家である12名の参加者が参加した。4人の参加者は、修士号の勉強の最終段階で修了まで3ヶ月を残しており、4人は参加する2週間前に学位を取得し、4人は学位修了後1年間働いていた。データは3回のグループインタビューで収集された。

結果:3つの認識論的言説が明らかにされた:(1)批判的思考能力言説、(2)科学的思考能力言説、(3)使用中の能力言説である。前者2つの言説は支配的な言説と考えられ、「あれ」を知るという言説が、さまざまな医療専門家の専門的能力をより広い能力領域と結びつけていることを示した。この広い分野は、様々な医療分野の境界を超え、批判的思考能力と科学的思考能力の相乗効果によって開発された新しい能力を表し、それが継続的な能力開発の原動力となっているようであった。その過程で、使用中の能力言説が形成された。

結論:この言説は、医療専門家の専門的な能力に貢献するユニークな成果として見ることができ、「どのように」知るという言説もまた、基礎的な背景言説であったことを示唆している。